急転直下、三菱自の燃費不正報道から一転、日産の傘下へ ~前代未聞のドタバタ劇~(2/2)
- 筆者: 桃田 健史
- カメラマン:オートックワン編集部
資本提携に関する会見内容は「綺麗ごと」ばかり
昨夕の国土交通省での会見と同じく、いやそれ以上のメディア数で、熱気ムンムンとなった、2社の資本提携に関する緊急記者会見。
その概要は、日産が三菱自工の発行済み株式34%を2370億円で取得する予定で、これにより両社による幅広い戦略的アライアンスを実現するというもの。三菱ブランドは、日本国内販売店を含めて存続する。
だが、日産のゴーンCEO、三菱自工の益子CEOの会見中の発言は「三菱自工が得意なアセアン市場や、SUVが日産には必要」「EVについて協業が技術進化を加速させる」といった、シナジー効果を強調しただけ。
燃費不正問題に絡むような暗い内容の質問が出ても、パフォーマンス性の高い、いつもの「ゴーン節」によって、会場内の雰囲気が暗くなることはなかった。
そして、益子CEOは「昨夜の会見で、弊社を再建し、弊社に関わる全てのステークホルダーに対する信頼回復のためには、『思い切ったこと』が必要と申し上げた。それが、まさにこの資本提携だ」と言い切った。
2011年、軽自動車の共同企画開発を基点に始まった、両社の連携。
まさか、今回の燃費不正をきっかけとして、三菱自動車が日産の傘下に入るという「急展開」を見せるとは、筆者を含めた現場のメディア関係者の誰もが想像していなかった。
[Text:桃田健史]
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