三菱自の燃費不正問題を受け、国交省が三菱車の公開試験を実施!試験結果は6月末に(1/3)
- 筆者: 桃田 健史
- カメラマン:桃田健史
「惰行法って何?」。
三菱自工による燃費不正問題で、メディアもユーザーのその実態がよく分からない「惰行法」。「惰行」とは、「惰性で走行」することを指す。
なかには、くねくねと曲がる「蛇行法」と思っているユーザーもいるほど、世の中で情報が錯そうしている状況だ。そんな中、「惰行法」を使った、走行抵抗に関する実験のデモンストレーションが行われた。
通常、この実験は自動車メーカーが行ない、そのデータを国土交通省が所管する交通安全環境研究所(通称:交通研)の自動車認証審査部に提出する。その過程で、自動車メーカーはジャーナリストを含めて、こうした実験を外部に公開することはまずない。
さらに、交通研も「自動車メーカーを信頼している」ため、いままで自動車メーカーが行なう同実験に立ち会うことはなかったという。
8つの指定速度に対応する「惰行法」
実験が行われたのは、埼玉県の北部、熊谷市の郊外。近隣には、スバルの主力工場がある群馬県太田市や、ホンダの寄居工場があり、自動車関連の企業も多い地域である。
使用されたコースは、全長1200m×全幅60mの総合試験路。約1000mの直線路の両サイドにバンク路があるレイアウトだ。
車両は、三菱自工が持ち込んだ「ekカスタム」。そこに、交通研が、ルーフ部分に測定専用のGPSアンテナ、車内にはデジタル車速計、パソコン、そして車速変化とその時間をプロットするグラフを表示するディスプレイを取り付けた。
デモンストレーションを行なうにあたって、交通研の自動車認証審査部から「惰行法のやり方」について詳しい説明があった。
それによると、計測は90km/hから10km/h刻みに20km/hまで、8つの「指定速度」に対して行なう。各指定速度に対して、+5km/hから-5km/hまでの10km/hが何秒かかるかを計測する。
こう説明しても分かりづらいと思うが、例えば指定速度70km/hならば、75km/hから65km/hまで速度が落ちる時間を計るということだ。
そう聞いても、まだよく分からない人が多いと思う。今回の現場でも、テレビ局や新聞社の記者らから「もう一度説明して欲しい」と何度も要望が出たほどだ。
そして、実際にデモンストレーションが始まった。
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