世界で急速な普及の「ライドシェア」いわゆる白タク、日本では考えられない世界のタクシー事情(1/3)

  • 筆者: 桃田 健史
  • カメラマン:桃田健史/GM/オートックワン編集部
世界で急速な普及の「ライドシェア」いわゆる白タク、日本では考えられない世界のタクシー事情
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あまりに当然な反対運動

日本では考えられない世界のタクシー事情

「白タクを許すなぁ~!」。

全国から東京に集結したタクシーとハイヤーのドライバー数百人が、日本の政府機関が集中する霞が関周辺でデモ行進した。

政府は成長戦略の一環として、海外からの観光客や、少子高齢化による社会変革への対応として、一般住宅をホテル代わりに使う「民泊」や、個人のクルマをタクシー代わりに使う「ライドシェア」の規制緩和を進めようとしている。

「ライドシェア」とは、個人のクルマに相乗りすることを指す。本来は、会社の帰りに「一緒の方向だから、僕のクルマに一緒に乗っていく?」という、個人的な行為。

これを、2010年に入りアメリカで商売にするベンチャー企業が急増。そのトレンドが世界各地に広がっているのだ。

米自動車メーカー最大手GMもライドシェアに投資

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業界最大手は、サンフランシスコ生まれのUber(ウーバー)。語源はドイツ語の前置詞で、「~へ行く」の「~へ」のこと。英語の「to」に相当する。

ウーバーは最初、ハイヤーの企業向け営業時間の空き枠を個人向けに提供していた。そこへ、ライバル企業のLyft(リフト)が「白タク」事業で急成長し、ウーバーもリフトと同様のサービスを展開するようになった。

また、最近ではGMがリフトに5億ドル(約550億円)も投資し、今年3月からは小型SUV「エクイノックス」を「白タク」ドライバー向けにレンタルするという、とんでもないビジネスがスタートした。(参考記事:米最大の自動車メーカーGMが業界タブー、いわゆる「白タク」の大手と組む理由)

「そんな違法行為の白タクを、日本政府が正式に認めるというのは言語道断」。というのが、タクシーやハイヤー事業者の主張だ。

「アメリカで流行しているから、それを日本でもOKにしよう」というのは、なんともおかしな話だ。

寄付金という逃げ道からスタートし、世界展開へ

そもそも、アメリカでの「白タク合法化」の流れが奇妙だった。

リフトの場合、2013年末まで、サービスを利用して下車する際にドライバーにお金を手渡す行為は「支払い」ではなく「寄付」という「言い訳」を使ってきた。

しかも、その「寄付」には「目安」があり、タクシーで同じ距離を走った場合の料金の6割程度だった。この「目安」を乗客にアプリで提示していたのだ。

こうした「あまりにも露骨な法の抜け道」を使う利用者がどんどん増えた。困った地方自治体の一部が、「保険や安全性を確保することを条件」として、「白タク」の営業行為を認めてしまったのだ。

だが、現時点でアメリカの50州すべてが「白タク」を公認している訳ではない。地元のタクシー事業者からの抗議を受けて、「白タクは違法行為」という従来の考えに止めている地方自治体も多い。

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桃田 健史
筆者桃田 健史

日米を拠点に、欧州、BRICs(新興国)、東南アジアなど世界各地で自動車産業を追う「年間飛行距離が最も長い、日本人自動車ジャーナリスト」。自動車雑誌への各種の連載を持つ他、日経Automotive Technologyで電気自動車など次世代車取材、日本テレビで自動車レース中継番組の解説などを務める。近著「エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?」(ダイヤモンド社)。1962年東京生まれ。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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