F1レースは整理整頓の評価の場?実は上位チームほど整理されている(2/2)

F1レースは整理整頓の評価の場?実は上位チームほど整理されている
整理整頓世界選手権中国ラウンド。これから評価が始まる、ということで。 タイヤ交換が3戦連続で最短だったウィリアムズのピット。 ウィリアムズは2.1秒で4本交換のスーパー早業。 ノーズカウルは、専用のラックに掛けられる。 パーツの形に合せてピッタリ納まってピットに並べる。 フェラーリのカウル収納。こうしてピット前に並べる。 フェラーリのカウル収納。こうなってます。 ピット前のカウル収納ラック。 並べ方もピシッと。メルセデス。 最も遅いマノーでもこの水準。 ハース・チームピットのヘルメット収納棚。 画像ギャラリーはこちら

整理整頓の技、F1の世界に神業は存在しない!

フェラーリのカウル収納。こうなってます。ウィリアムズは2.1秒で4本交換のスーパー早業。

しかし、金曜日から日曜日までの3日間で凝縮した作業が行なわれるF1グランプリは、時間がいくらあっても足りない状況のはず。特に広いパドックでは、走って移動時間を短縮したくなりはしないのか。なのに走っている人がいない。何故だろう。

答えは簡単。事前の準備を完璧にしておけばいいだけ。段取りの段階で勝負が決まるということだった。

当然、レースを闘うチーム自体、この準備段階で勝負が決まっているといえる。準備万端整ったチームが速いのは当たり前の理屈だ。

自動車レースは、文字通り自動車という複雑な機械の闘いだ。もちろん、それを操るドライバーのポテンシャルでも成績を左右するのだが、その前に“チーム戦”だということを知れば、事前の整理が勝敗の別れ道になることがわかる。

これはどんな仕事にもいえることなので、参考例が満載のF1GPを次からそういう目で観てほしい。F1グランプリを、『整理整頓世界選手権』として見ると、興味深い現象が見えてくる。

例えば、レースの戦略はタイヤをいつ交換するか、ペース配分をどうするかなどを事前に綿密に練り上げておく必要がある。天候変化やライバルの動きに呼応できる対応策も用意しておきたい。臨機応変に動くためには、物事が整理されていなければならない。その一端がF1チームのピットをみれば一目瞭然。上位チームほど整理が行き届いている。

整理して作業効率を高めることで、4本のタイヤを2秒少々で交換できる。神業ではなく、整理整頓を突き詰めた人間の技である。

世界各国を転戦できるのは整理整頓ができているから

ノーズカウルは、専用のラックに掛けられる。最も遅いマノーでもこの水準。

レースの週末に作業をするF1チームのピットガレージは、チームのショールームの役目も果たしている。整理整頓された清潔なスペースで作業が進む。効率がいいだけでなく、応援するスポンサーにとっても、清潔なことはいいことだ。

ボディカウルが床に置かれることはまずあり得ない。美しくワックスアップされたカウル類は、展示されているように収納して並べられる。見映えと効率を同時に成立させたピットやガレージを見れば、スポンサーは契約を継続したくなるというものだ。

来週末は、ロシアのオリンピック会場跡地であるソチの市街地コースが会場になるが、中国GPのチェッカーフラッグが振られた時には、パドックでは、ソチに向けての撤去作業が始まっていた。ホンダのパワートレーンやパーツを納め、ソチ行きと栃木県のサクラ研究所行きに分類されたケースがすでにパドックに並んでいた。

今年のF1GPは、21個所もの世界各国のサーキットを転戦する。各チーム数トンに及ぶマシンや膨大なパーツを、その度に運んでは走り、ゴールしたら運搬用に梱包する。整理整頓ができているからこそ、世界各国を転戦できる。

ひたすら同じところをグルグル回っているだけに見えるF1レースが、実は『整理整頓の評価の場』と思えば、F1GPが違ったものに見えるかもしれない。

[Text:山口正己]

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筆者山口 正己

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樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

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