試乗レポート
三菱お得意の電子制御技術で、ドライバーの操作に多少無理があっても難なくこなしてしまう点は素晴らしい(試乗車はS-AWC装着車であった)。実際に、試乗コースでは比較的きつい90度カーブに時速60kmかつアクセルを踏んだまま突進したが、ロールを抑えて上手く曲がるどころか、外側に膨らむ予想でハンドルを切っていたので内側のラインにピッタリと張り付いてしまった。アウトランダーはSUVとしてミドル級のサイズであるし当然重心も高いのだが、それを打ち消してしまう辺り、さすが三菱と感じる。
また、デザインからも先代から一転してプレミアム路線に移行しているのは明確で、都会での使用が多く想定されるこの車としては妥当であるといえそう。実際、インテリアにもソフトパッドが多用されるなど上質感が十分に醸し出されており、走りでは先代の目指した「俊敏さ」はほどほどに抑えてトルク特性もハンドリングも落ち着いている印象。試乗会に来られた三菱の企画担当の方は、エクステリアのデザインを「もう少しアグレッシブに出来たら」と仰っていたが、私としてはこれ位の落ち着きが丁度良いと思った。
走って楽しいかは別として、極めて安楽で、そして安全である点は、他の2WDをメインにするシティ派SUVには真似の出来ない芸当である。
きっとこの車についてレビューを書いた人は(もしかしたら居ないかもしれないが…)、走りがどうだとか言って酷評しているのかもしれない。
けれど、私は何一つといっていいほど文句がない。競合車の中でも明らかに価格は低めで、安全装備(e-Asist)の普及にも力を入れているようなので、そういったオプション品も破格の値段で用意されている。
確かに、まだ乗ったことはないけれど、CR-Vに比べればオットリした走り味かもしれないけれど、それは決して欠点にはならない。休日に疲れきったお父さんたちが、子供を乗せて家族サービスをするときに一体どれほどその走りに需要があるか…。お父さんを安心させるだけの快適性があり上質で安全性能も高い。また、お母さんを安心させるだけのコストバリューを兼ね備えているなら、それ以上何も要らないだろう。
よって、(例えお給料がもらえなくても)この車に欠点は見当たりません!事実、私はこの車が本当に気に入りました。