autoc-one.jp 記事・レポート 特集 カーソムリエ カーソムリエがAE19へ会いに行く“桜86ツアー” 02

なにか、私のことを調べました?

「なにか、私のことを調べました?」 石河さんと出会ってそう思うまで、
時間はそう掛かりませんでした。
私は営業時代から、あまり無為なアイスブレークには
時間をかけても仕方がないと思っていた方なので、あいさつを交わし、
86のコ・ドライバーズシートに彼が乗り込みました。

初めの信号を曲がったあたりで、「で、どんな車が好きなのですか?」ときいたところ「1980年代~1990年代のドイツ車です」で、話を進めるとどこかで聞いたフレーズが・・・。 『車は走って、曲がって、止まればいい。だからw124の500Eが憧れの車です!!』 変な言い方ですが、一瞬、猛烈な虚脱感が襲うほど、この準備されていたかのような回答に興奮を覚えました。かく言う小生と全く同じ考えを持っていることがわかった瞬間、若いが明晰で冷静でそつのない、私とは人間の出来が数段違うことが容易に見て取れる初対面の人に会うというある種の緊張は、一気に春の霞のように昇華した気がしたものです。 あと2年くらいしたら、クルマとしてのお手本のW124か、ユーノスロードスターを買うのがいいのじゃないか…と思索中だそうです。こういう人がエンジニアになると「クルマもあの90年代の感動をもう一度」となるといいなあと思ったものです。

 

モヤさまの「もんじゃ禁止の月島」よろしく、『峠禁止で86を堪能』』

石河さんはまず、お城を入れて何か撮れないかということで名城公園を案内してくれました。どんよりと雲は多いものの、お城の周りはそれなりに桜もありましたが、しゃちほこの向きがしっかり正対して撮れるスポットはあまりなく、ほどほどにして我々は知多半島方面に向かいました。 春といえば桜もいいですが、きれいな菜の花畑があるということで案内してくれました。
「こういう風にクルマをちょっと止めて写真とか撮りながらドライブ、とかなかなかできなくて」
石河さんいわく、モータースポーツも興味あるしスポーツ走行の練習も将来は自動車のエンジニアを目指す以上身に着けたいとは思いつつも、それはプロセスであって、その先のカーライフとシンクロさせたクルマの使い方をしていきたいし興味がある、といいます。
いままでの車を取り巻く環境は手段としてのクルマの価値を目的にしすぎるのではないか・・・、そんなこともあって峠に持ち込んで86のその都度の運動性能を紹介するコンテンツはあっても、このクルマで普通に旅をするとどうか、そこに興味があったのだそうです。すでに1000キロ以上を集中的に乗り、その細部までそつのない作り。この価格帯のクルマとしては、かなり丁寧に作りこみがされている印象を持っていた私は、石河さんのその意見に全く同感でした。

原体験は重要?

彼が普段愛用する車は、フォルクスワーゲンGOLF6の1.2トレンドライン。それ以前も数多のドイツ車を乗り継いでこられたお父様の影響は多分にあるといいます。

現在のゴルフは納車されてまだ日が浅いということですが、その動力性能の高さやハンドリングには日々興味を持って乗っていて、依然「調律」すると最適化されるドイツ車の懐の深さにはご本人も気に入っておられるようでした。
そんな、美味しい蕎麦屋そばを水で食べるような通な一台に慣れ親しんでいる彼がこの86にどんな印象を持つか、かなり私自身興味がありました。
はじめは固かった足も速度とともにフラットになり、グリップもいいタイヤながら三尻とも言わず、嫌な振動が床下から伝わってこない。しっかりしたボディに感心していました。
スーパーチャージャーがついていて加速も楽で、普段フォルクスワーゲンのDSGに比べるとトルコン(コンベンショナルなオートマチック)でギヤのレスポンスがやや遅れる印象もあるもののエンジン回転数が低いところでまかなえ、燃費に奏効しているよう。
ステアリングにも路面情報が伝わるものの、ストレスなほどではないし、楽しい。前に乗った低速トルク不足のNAの86に比べるとずっとパワーがあって楽。これはスポーツカーではなく、1~2名で旅をするGTカーだ・・・。
私のノートの紙幅が不足しそうなほどに感想を話してくれた石河さんは、最後に
「実際、しっかりと距離を走れたからこそ、感じ取れた部分は大きい。そして、どこかドイツ車のよう。トヨタ車に乗るといつもすぐ腰が痛くなったのに、ならない。シートが無段階調整できたらもっといいのに」
概ね、86を気に入ってくれたようで何よりでした。

そういえば、トヨタ博物館へ行きませんか?

「そういえば、トヨタ博物館へ行きませんか?」常滑のまるは食堂で魚を食べ、都合三尾目のエビを平らげたあたりでそんな話になりました。
乗ってきたのは86、思い立ったら吉日・・・ということで、高速に乗って1時間強の距離を長久手まで走ることにしました。
現在、トヨタ75周年記念の記念展示もあり、相当駆け足ながら『やばい、テンションあがる!!』とかいいながら、歴代のクラウンの面々をはじめとした世界中の名車達を拝見しました。

峠は禁止だけどマウンテンはOK!?

申し訳ないのですが、こう言わない訳には参りません。

「ゲテモノ」名古屋の郊外にある喫茶店「マウンテン」のメニューは、突っ込みどころ満載です。 “名古屋コーラ”“甘口小倉抹茶スパゲティ”“氷ラベンダーカルピス”・・・、とりあえずそんなメニューを頼んで食べては名残惜しむように、こういう風に車を囲んで楽しみたい・・・そんな話を日が暮れるまでしておりました。
車好きだけで集まるのは楽しいけど、そこで群れると、ほかの人は入りにくい?カメラ女子の撮影小旅行にこんな86はどうだろう。地方はクルマがないと生きていけない。実は地方でイベントをもっとやってほしい。全国(自動車)博物館ツアーないかなあ・・・。 そんな、半ば要望みたいなクルマをライフスタイルの中に有機的に取り入れてもらえる提案が大事ですね・・・という話。深い問題意識と様々な示唆を持っていて、しかし批判がましいところが全くなく、とにかくもっと楽しみたい。 呉の平岡さんもそうですが、車≠モータースポーツのエスカレーションをもっと模索しなくてはいけないという意見が続いたのは、ちょっと印象的でした。
最後に石河さん、 「中込さん、お酒飲まれます?プライベートでも、お越しの際には是非酒でも飲みながら♪」と言ってくれました。 最近、クルマ好きとクルマを置いて飲みに行くのも楽しいと実感していた小生。どこまでも見透かされているようでなりませんでした。 しょうがないなあ♪旅のあとは宿題が多くて困りますね。また、行かなくちゃならないじゃないですか(笑)

次回は山形に向かいます。