結局は“増税”「自動車取得税の廃止」は嘘!消費税10%の2017年4月からクルマ関連の税負担は確実に増える!(2/3)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
今のままでは、減税車に偏った売れ方は是正されない
ちなみに今の売れ筋車種は大半がエコカー減税の対象に入り、ハイブリッド車のトヨタアクアやトヨタ プリウスなどは免税になる。
国のやり方は、はっきり言って「嘘つき」だ
それにしても、国のやり方は「嘘つき」だろう。
「約束通り自動車取得税は廃止します。その代わり(名称を変えて)環境性能割税率を導入します」では、約束を破ったことになって納得できない。
過去を振り返れば、自動車取得税/同重量税/ガソリン税(揮発油税と地方揮発油税)は、いずれも1970年前後に道路建設に充てるための「道路特定財源」として徴収が開始された。
道路建設で恩恵を受けるのはクルマの所有者だから、そこから税金を徴収する「受益者負担」の考え方に基づいていた。しかし「道路特定財源」制度は2009年に廃止されて一般財源になり、すでに課税の根拠を失っている。
そのために自動車業界は以前から廃止を求めていて、自動車重量税とガソリン税は譲歩しても「自動車取得税は消費税が10%になった段階で廃止」とされた。それなのに自動車取得税すらも、稚拙に名前を変えて存続することになった。
また自動車税を含めてクルマ関連の税金は分かりにくいから、抜本的に自動車税制を見直す考え方もあったが、「平成28年度/国土交通省税制改正概要」にはまったく反映されていない。
この点を国土交通省に尋ねると「平成28年度/国土交通省税制改正概要に盛り込まれたのは、自動車取得税を廃止して環境性能割税率に変更するにとどまる。自動車税、自動車重量税などは平成29年度に検討される可能性もある」とのことだが、環境性能割税率が盛り込まれた以上、抜本的な減税はあり得ないだろう。
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