スバル、コンセプト「VIZIV」に見るパワートレーン戦略、今後の方向性とは(1/2)
- 筆者: 清水 和夫
TMS2015では「SUV」と「PHEV」の2つのトレンドがあった
先日閉幕した第44回東京モーターショーでは大きく2つのトレンドがあった。多目的スポーツ車(SUV)とプラグインハイブリッド(PHEV)である。
スバルのワールドプレミアコンセプトモデル「SUBARU VIZIV FUTURE CONCEPT(スバル ヴィジヴ フューチャー コンセプト)」はまさにこの2大トレンドを抑えたモデルであり、これに搭載されていたパワートレーンは将来実用化されるものだ。
今回はこのモデルをもとに、スバルの今後のパワートレーン戦略を考えてみたい。
「ヴィジヴ」は5ドアハッチのワイドかつ低いフォルムが印象的なモデルで、スバルの走りがさらに洗練するという期待感を抱かせてくれる。
パワーユニットはスバルXVハイブリッドで市場導入したシステムを全面的に進化させて、1.6リッターの直噴ダウンサイジングターボと電気モーターを組み合わせ、シンメトリカルモーターAWD(電動4輪駆動システム)も搭載する。
エンジンはフロントに、電動モーターはリアに、それぞれ搭載することで、プロペラシャフトが不要なフラットフロアを実現。さらに前後トルク配分の最適化も可能とした。
パワートレーンとは直接かかわりがないが、様々な自動運転の技術が盛り込まれている。
車両安全も含めた自動運転のコンセプトは“安全なバブル”で、構成要素はV2Xテクノロジー(車車間および路車間通信)、車両全周に対するレーダーセンシング、進化したステレオカメラ、そこに高精度なGPSと地図情報を組み合わせる。
これら情報を統合的に制御することで、さまざまな場面で衝突を回避できるようになり、高速道路上における全車速での自動運転が可能になるほか、商業施設等での自動駐車も実現できるという。
さて、スバルは「ヴィジヴ」で披露したダウンサイジングターボエンジンを2016年以降すべてのモデルに投入する予定だが、その後はどのようなパワートレーン戦略を持っているのだろうか。
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