日産「エクストレイル」の新型と旧型を比較してみた(5/5)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
旧型と比べて分かった新型の総合評価
エクストレイルの新旧モデルを比べると、失われた内容と得た内容が、それぞれ大きいように思う。
失われた内容としてまず挙げられるのは、SUVらしさが濃厚で、なおかつ視界と取りまわし性に優れたボディスタイルだ。
このデザインはとても優秀であった。前後左右ともに視界が良く、ボンネットもキッチリと見える。となれば普通は実用指向の潤いのない外観になりがちだが、旧型エクストレイルは重厚なSUVらしさも感じさせた。
表現を変えれば、SUVのデザイン手法を、巧みに視界の良さに結び付けている。これは旧型といっても、2000年に登場した初代エクストレイルの良さであった。
ちなみに最近は日本車、輸入車を問わず、サイドウインドウの下端を高めに設定して、後ろに向けて持ち上げた車種が多い。外観をカッコ良く見せるために、視界が犠牲になっている。
開発者は「視界はバックモニターで確保できる」などと言うが、後退は後ろを振り返って行うのが基本だ。バックモニターはナビ画面と併用するからドライバーよりも前側に装着され、機能に矛盾が伴う。カッコ良さと直接的な視界を両立させるのが、自動車が採用すべき工業デザインだろう。
日産「エクストレイル」進化度数 総合結果
ボディスタイル&サイズ:1点
内装のデザイン&居住性:7点
動力性能 :3点
走行安定性 :8点
乗り心地 :1点
快適&安全装備 :8点
燃費性能 :7点
グレード構成&価格設定:6点
総合的な進化度数 :6点
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