トヨタ「ヴェルファイア/アルファード」の新型と旧型を比較してみた(4/5)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
快適&安全装備
旧型の安全装備は、ミリ波レーダーを使った緊急自動ブレーキを作動できるプリクラッシュセーフティシステムと、カメラを使う車線逸脱警報などのレーンキーピングアシストで、これをセットにして32万8650円で用意していた。
新型はプリクラッシュセーフティシステムを7万5600円の低価格で設定するが、カメラは用意していない。そのために歩行者や自転車は見分けられず、旧型に備わっていた車線逸脱警報も省かれた。
トヨタではすでにミリ波レーダーとカメラを併用した「セーフティセンスP」を公表しているので、これを早期に装着して欲しい。
なお、ミリ波レーダーを利用したクルーズコントロールは、新型で全車速追従機能付きに進化した。パーキングブレーキが電動化され、全車速追従機能によって車両が停止した後も、その状態を保てるようになったからだ。
ちなみにパーキングブレーキが電動化されていない場合、全車速追従機能が備わっても、アクチュエーターに限界があるから2~3秒後には自動的に動き出してしまう。
進化度数:1点/10点(もう少し頑張りましょう)
燃費性能
JC08モード燃費はグレードによって異なるが、直列4気筒エンジンの「X」同士で比べると、旧型が11.2km/L、新型は11.6km/Lとわずかに向上している。
新型の場合、アイドリングストップを装着すると12.8km/Lになるが、5万6160円でオプション設定になる。今の軽自動車やコンパクトカーでは、アイドリングストップの換算額が2万円程度だからかなり割高だ。ヴェルファイア&アルファードは大排気量車で、アイドリング時の燃料浪費も多い。高価格車でもあるから、アイドリングストップは標準装着にして欲しい。
V型6気筒3.5リッターエンジンのJC08モード燃費は、主力グレードで比べると旧型が9.3km/L、新型は9.5km/Lに向上した。ただしアイドリングストップはオプションでも装着できない。
ハイブリッドはどうか。旧型のJC08モード燃費は、大半のグレードが16.2km/Lだったが、新型は18.4km/L。比率に置き換えれば114%になる。ハイブリッドの燃費向上率は、ノーマルエンジン車よりも大きい。
進化度数:3点/10点(比べてようやく気付くレベル)
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