突如スズキが社長交代を発表!しかし実権は鈴木修会長のまま

  • 筆者: 国沢 光宏
  • カメラマン:スズキ株式会社

スズキが突如社長交代を発表した。新しい社長は鈴木修社長兼会長(85)の長男である鈴木俊宏副社長(56)とのこと。興味深いことに鈴木修氏の地位を見ると社長の肩書きが外れただけで、CEO(最高経営責任者)のまま残るという。

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CEOとは文字通り会社経営の責任全てを追う役職。鈴木俊宏氏と言えばCOO(最高執行責任者)という位置づけになるからヤヤこしい。

スズキ新社長の鈴木俊宏氏と会長の鈴木修氏

どうやら「全てを任せて勇退ということにはならないようです」(スズキ自動車筋)。当面鈴木俊宏社長のバックに鈴木修会長が構えているという状況になるのだろう。とは言えいくつかの興味深い動きも出てくるかもしれない。

例えば原山副社長のポジションである。以下詳しく。

鈴木修氏は本来ならもう少し早い段階で長男へのバトンタッチを決心していた様子。

鈴木俊宏氏を御存知の人なら解る通り、押しの強さという点で少しばかり物足りなさを感じてしまう。良い人だし自動車業界に精通しているのに(モーターショーなどで何度か情報交換したことがあります)、ハッキリした意見を言わない。

あまりに強い父親と違うタイプなのだ。本来なら数年前に社長として任命してもよかったのだろうが、鈴木修さんも躊躇ったらしい。

スズキ、新社長に鈴木俊宏氏

2011年6月の大きな人事移動により、副社長を4人置き、国内販売、海外販売、車両開発、企業戦略をそれぞれ担当させることを決めた。このうち鈴木俊宏氏は海外販売担当。

スズキ自動車の上層部によれば「4人体制の間に次の社長を決めようということなんだと思います」。もっと言えば、国内販売と車両開発担当副社長は当時62歳と61歳。年齢的に厳しくなってしまう。

といったこと考えれば鈴木俊宏氏の次期社長就任は2011年時点で半ば決まっていたんだと思う。

ちなみに国内販売担当の田村実副社長は現在66歳。車両開発の本田治副社長も65歳。すでに社長を受けられる年齢ではない。残る原山保人副社長(経済産業省からの中途入社)は現在58歳と若く、4人体制を決めた時点で次期社長就任のチャンスを残したかもしれません。

ところが原山副社長はスズキ自動車の足を激しく引っ張ってしまう。VWとの交渉役だったものの、相手側をカンカンに怒らせてドロ沼に(欧州の自動車メーカーでは有名な話です)。

スズキ、新社長に鈴木俊宏氏

インドでも労働者問題を納めるどころか拡大させ、労働争議になってしまった。鈴木修氏からすれば自ら招聘した人事だけに動かず。社内的な反感も強いという。

今後どうなるか? 副社長人事は発表されていない。田村副社長と本田副社長については年齢を考えれば勇退だろう。どちらも4年間で良い仕事をしたと思う。

残る原山副社長をどうするかが大きなテーマになりそう。少なくともVWは原山氏が企業中核に残る限り厳しい対応のままかもしれない。副社長人事に注目したい。

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国沢 光宏
筆者国沢 光宏

1958年生まれ。ベストカーガイド編集部員を経て自動車評論家に。空気を全く読まず言いたいことを言い、書きたいことを書くので自動車メーカーから嫌われている。現在所有しているクルマは日産 リーフやトヨタ MIRAIなど多数。趣味はラリーに出場すること。人気のない(本人談)Webサイトを運営中。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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