日産、常識破りのFF車でル・マン復帰!キビシイ結果でもF1復帰のホンダより期待大な理由とは【コラム】

日産、常識破りのFF車でル・マン復帰!キビシイ結果でもF1復帰のホンダより期待大な理由とは【コラム】
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日産とホンダがレースに復帰!どちらも厳しい結果だが、両者への評価は真逆

日産 参戦車両ホンダ F1

今年からホンダはF1に、日産はル・マン24にカムバックした。

しかし現時点での速さを見ると、どちらも「非常に厳しい」。ホンダF1を見ると、直線の速度でメルセデスのパワーユニットより30km/h以上遅く、日産も最高速が30km/h違うひとクラス下のLMP2(日産はLMP1クラス)より僅かに速い程度。総合優勝などはるか遠く感じる。

そんなことから、シーズン前から私はホンダF1について「抜本的な改革が必要」と書いてきた。加えて厳しい状況、現在進行形。カナダGPなど改良した場所にトラブルが出てしまい、もはや自信喪失状態である。しかもマクラーレンから「抱え込まないように。何でも教えてやる」と言われる始末。報道内容も日を追う毎に辛辣になってきた。

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日産には報道陣も甘い!その理由とは!?

日産 参戦車両

一方、ル・マンに於ける日産の戦い方を見ると、ホンダ以上に遅い。

予選でポールポジションより20秒遅れ。予選TOPから110%以内のタイムを出さないとグリッド降格のペナルティを受けるが、日産は3台とも対象になってしまう。

本戦でも厳しく3台中、完走1台。優勝したポルシェから150周以上遅れてしまった。

ただレース関係者の話を聞くと、案外甘い。私を含めたメディアの対応も日産に甘い。なぜか?

理由は二つあると思う。

ル・マン24時間レース本戦

一つ目は1年目であるという点だ。

どんな競技であっても1年目から抜群に速いというケースは少ない。ホンダだって1年目だという意見も出るだろうが、車体は実績あるマクラーレンだし、パワーユニットも2年熟成してきた。

二つ目はFFという純粋な競技車両の分野で誰もチャレンジしてこなかった駆動方式を採用してきた点にある。

これ、レース関係者全てが「ウソでしょ!」と思えるような無謀さ加減。ル・マンのパドックを見てたらポルシェやアウディのチームスタッフが続々日産のピットを訪れてます。

皆さん「まともに走れるワケがない」と考えてるのだろう。

ということを考えれば、予選1位から20秒遅れは「意外に速い!」という評価になっていく。

FFという奇天烈な駆動方式を投入してきたデビュー戦の割に頑張った

ル・マン24時間レース本戦

話を聞いてみたらチーム全体が負けや弱点を認め、新しい対応手段を考え始めている。対策もありそうだ。実現出来るのか疑問な状況にあるホンダと好対照。(ホンダの新井プロジェクトリーダーは年内に表彰台と言ってます)

総合して評価すると「FFという奇天烈な駆動方式を投入してきたデビューレースの割に頑張ったね」という雰囲気なのである。

ただし、来シーズンもこの状態だったらダメだと思う。今のやり方を続けていたら来年も期待出来ない(F1はレギュレーションで改良出来る範囲が極めて小さい)ホンダより、圧倒的に期待出来ます。

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国沢 光宏
筆者国沢 光宏

1958年生まれ。ベストカーガイド編集部員を経て自動車評論家に。空気を全く読まず言いたいことを言い、書きたいことを書くので自動車メーカーから嫌われている。現在所有しているクルマは日産 リーフやトヨタ MIRAIなど多数。趣味はラリーに出場すること。人気のない(本人談)Webサイトを運営中。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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