スズキ 新型「アルト」デザイナーインタビュー/スズキ株式会社 四輪デザイン部 チーフデザイナー 内山 一史【DESIGNER’S ROOM】(2/6)
- 筆者: 森口 将之
- カメラマン:和田清志・スズキ
デザインのテーマは「クオリティ×プロポーション」
AO:新型をデザインするにあたって、まずどんなことを考えたのでしょうか。
U:デザインのテーマは「クオリティ×プロポーション」です。さらに初代のスピリットを見直そうということで、機能を重視した、最高の実用車を作ろうという意識で取り組みました。先代は少し女性向けを強調した造形だったのですが、新型は老若男女問わずに好きになれるデザインを目指しました。
AO:軽自動車でプロポーションという言葉を聞くのがとても珍しいのですが。
U:最近の軽自動車はセダンタイプであっても、室内を広くするために背を高くする傾向にありました。でも新型アルトは、クルマらしく見えるカタチにこだわりました。背は低く、ノーズが明確で、キャビンは小さく見えるという方向性です。
デザインが軽量化にも寄与!?
AO:背が低いクルマは空力を追求する傾向にありますが、その点についてはどうですか。
U:空力を重視するのであれば、違うカタチになったでしょう。このクルマは燃費がすべてではありません。カッコ良く見せることが大切だと考えて、このデザインに行き着いたのです。
AO:新型アルトは軽量化も話題になっていますが、デザイン面で軽量化に貢献した部分があれば教えてください。
U:プロポーションを追い求めた結果、ガラス面積が小さくなり、全高も先代より低くなったことで、軽量化に貢献しています。さらにフロントフェンダーを樹脂化しました。ただしこれは、スティールパネルとの合わせが大変でした。
インパネの造形も軽量化を考えた結果です。この点についてはプロポーションと同時進行で追求していきました。
[軽自動車離れしたデザイン表現の秘密に迫る!・・・次ページへ続く]
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