autoc-one.jp 記事・レポート 特集 特別企画 社長に訊く ~ボルボ・カー・ジャパン株式会社 代表取締役社長 木村隆之~ page01

国沢光宏Q

前社長は安全装備を期限設定して無料にしてアピールするなど、なかなかトリッキーな販売戦略でした。私は楽しいと思ってましたけれど。今後どんな方向を考えているのでしょうか?

木村社長

例えば広告を出すならお客様の心に強く残るようにしたいです。ボルボで言えば強みは安全ですね。もう一つは顧客満足度で、現状レクサスだけでなくドイツ勢にも負けている状態。なかなか厳しいと考えています。

国沢光宏Q

良い意味でおっとりしていたように思います。クルマも安全性を除き、飛び抜けて良いというワケでもありませんでした。加えてボルボの場合、ディーラーの対応がイマイチだという声を良く聞きます。

木村社長

顧客の皆様にボルボのアンケートをしたらワースト10の中の7つがディーラーの対応に関することでした。顧客満足度で1位になるよう頑張りたいと思います。このあたりの対策は私がレクサスの時にさんざんやりましたので少し自信があります。

国沢光宏Q

木村さんがレクサスの戦略を立てたことを知っている人もいます。そんな人達に話を聞くと「レクサスのように整備はディーラーまで持ってきて欲しい」と言われるんじゃないか、とか、値引きゼロになると心配してるようです。

木村社長

それは私がレクサスを立ち上げるときに行ったことです。レクサスの弁護をすると、値引きゼロというもの全てのお客様を平等にお付き合いしたいというコンセプトです。持ち込み整備は、ディーラーに遊びに来て頂いてくつろいで頂くのもどうでしょう、ということでした。

国沢光宏Q

その2つでレクサスを買わないという人は少なくないようです。訪問も値引きも、呉服の販売などと同じく日本の伝統的な商習慣だと思います。

木村社長

そうですね。整備は取りに来て欲しい、と言われたら受けるべきでしょう。常にお客様中心でなければなりません。ボルボの場合、値引きについては在庫販売なので台数の調整が必要です。無しということにはならないでしょう。

国沢光宏Q

ボルボのユーザーの望みは「今までのスタイルを変えず、もう少し丁寧な対応をしてくれるようになること」という気がします。整備のレベルも低くありませんし。ディーラーが忙しすぎる、ということはないでしょうか。

木村社長

確かにV40の大ヒットで手薄になってしまったかもしれません。ただ商品計画を積み上げても2万台くらいです。その台数を売るときに必要なディーラー数は115店舗くらいでしょう。現在100店舗なので何とかなると考えています。都会の店舗に顧客が集中しているというのは対応が必要だと認識しております。

国沢光宏Q

ボルボは万全な安全技術を持っていますが、環境対応は少し遅れているような気がします。対応策はありますか?

木村社長

ボルボのボディサイズを考えると、ハイブリッドというよりディーゼルとの相性が良い気がします。昨年販売を開始した新しい世代のディーゼルの評価も高いです。

国沢光宏Q

具体的にディーゼルエンジンを日本で売る計画はありますでしょうか?

木村社長

例えばV40のディーゼルはハイブリッド車の対抗馬になると考えており、導入を計画しています。その他、今年から安全装備を全て標準にしましたし、ボルボは「繋がる技術」であるカープレイなども積極的に取り入れようとしています。

国沢光宏Q

おおっ!ディーゼルを日本で売ると言うことですね!昨年新しいディーゼルに試乗しましたが、とても良かったです。その他、新しい技術などありますでしょうか?

木村社長

安全性の強化ですね。先日、周囲360度の安全性を確保する技術を発表しました。ボルボのセーフティセンターは日本の大手メーカー2つを経験している私から見ても凄いと思いました。安全に対する真面目は半端じゃないですね。

国沢光宏Q

私も全く同じ印象を受けました。まだまだ話をお聞きしたいですけれど、そろそろ最後の質問です。木村さんの御趣味を教えてください。

木村社長

趣味は一杯ありますね。ヨーロッパに居るとき、日本から市場調査しにやってくるトヨタの技術者と、文化を知るため(笑)良いワインをたくさん飲んでいたらワインに詳しくなりました。ソムリエと同等の資格を持ってます。もう一つは旅行です。英語の通訳ガイドの資格を持っているほど好きなんです(注・英語の旅行ガイドの資格は知る人ぞ知る難関で合格率5%と低い)。旅行も世界中行きました。

国沢光宏Q

リタイアした後も旅行ガイドで趣味と実益を両立する戦略も立てているということですね(笑)。恐れ入りました!

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ボルボ・カー・ジャパン 株式会社 代表取締役社長 木村 隆之(キムラ タカユキ)
1987年

大阪大学工学部卒業

1987年

トヨタ自動車株式会社 入社

2003年

ノースカロライナ大学(米国ノースカロライナ州チャペルヒル) 卒業
経営学修士(MBA)取得

2007年

株式会社ファーストリテイリング 入社

2008年

日産自動車株式会社 入社
東京本社グローバルマーケティング・販売管理部部長

2009年

インドネシア日産自動車会社 代表取締役社長

2012年

アジア・パシフィック日産自動車会社兼タイ日産自動車会社 代表取締役社長

2014年

ボルボ・カー・ジャパン株式会社 代表取締役社長

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