【DESIGNER’S ROOM】スバル「レヴォーグ」デザイナーインタビュー/富士重工業株式会社 デザイン部 主査 チーフデザイナー 源田 哲朗(7/8)
- 筆者: 森口 将之
- カメラマン:オートックワン編集部・SUBARU
スバル初のウェルカム&グッバイサウンドに秘められた想い
AO:メーターにもこだわりを込めたそうですが。
G: おもてなし演出の一環として、スバルで初めてウェルカム&グッバイサウンドとオープニングムービーを導入しました。しかもサウンドは電子ではない、本物のピアノの生音をレコーディングしました。ウェルカムサウンドは、警告音などを鳴らすスピーカーを活用しているのですが、このスピーカーはピアノの生音をフルレンジでは鳴らせません。そこで、出来る限り生音に近いサウンドをお客様に感じて頂けるように、レコーディングスタジオで音楽ディレクターと一緒にチューニングしました。
オープニングムービーは、光の点によってレヴォーグのシルエットが一筆書きで描かれ、その点がスパークした後に水平指針に吸い込まれて、イグニッションオンでメーターが振れるという一連のシークエンスをデザインし織り込みました。お客様がレヴォーグと共にこれから出掛けようという気持ちを、おもてなし表現と合わせて感じて頂くことを目指しました。ここまでのこだわりを織り込んだのも、レヴォーグはお客様に新しい価値を提案するクルマだからです。
グレード毎に設定されたインテリアコーディネート
AO:インテリアカラーについてはどんな考えでしょうか。
G:内装色はブラックとアイボリーの2色展開です。ステッチのカラーコーディネートはGTがシルバー、GT-Sがブルーで、アイボリー内装ではアイボリーとしています。
インパネの加飾パネルは、標準のGT、アイサイト付きのGT、GT-Sで3種類設定しています。メーターと空調ダイヤルの照明色には先進感表現として透明感のあるアイスブルーを採用し、前に向かって進んでいくような奥行感を表現しました。ステッチの青は、このアイスブルーとのバランスも考えています。
クレイモデルまで造ったこだわりの荷室空間設計
AO:荷室についてはデザイン面で工夫した部分はありますか。
G:フロアのボードの開け閉めのしっかり感など、質感面まで考えて、これまでレガシィをご愛用頂いているお客様が満足できる空間を造り上げました。クレイのモックアップも造り、荷室空間や容量、視界との成立性の確認と造り込みを何度も重ねました。荷室のクレイモデルまで造るメーカーは昨今では珍しいのではないでしょうか。床下の収納スペースも工夫して、ミカン箱が入るまでになりました。
Cピラー内側も視界とシートベルトの兼ね合いを考え、畳んだシートを起こしたときにベルトが挟み込まない工夫も織り込んでいます。
[次ページへ続く]
この記事にコメントする