あなたのお住まいには影響ある?地域によって軽自動車増税の負担が違ってくる!!/渡辺陽一郎(3/3)

あなたのお住まいには影響ある?地域によって軽自動車増税の負担が違ってくる!!/渡辺陽一郎
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古い軽自動車は「ダブル増税」に

ダイハツ 初代コペン

そしてもうひとつ見過ごせないのは、2016年4月以降、最初に届け出されてから13年を超えた軽自動車に、1.2倍の軽自動車税を課すことだ。

現時点でも、自動車重量税では小型&普通車、軽自動車ともに古いクルマの増税が行われている。軽自動車の重量税は1年当たり3,300円が基本だが(エコカー減税車は2,500円)、13年を経過すると3,900円、18年を過ぎると4,400円に増える。これに軽自動車増税も加われば、古い軽自動車は重量税と軽自動車税の「ダブル増税」になってしまう。

増税の目的は環境性能の優れたクルマへ代替えさせることだが、前述のように軽自動車はライフラインだ。

13年、あるいは18年を経た古い軽自動車を、どのような人達が、どのように使っているのか国は分かっているのか。軽自動車の現実を見極めた上で、増税の判断をして欲しい。

今の軽自動車税制は不公平で、社会福祉にも逆行する。また「モノを大切に使う」考え方にも反する。

クルマは生産/流通/廃棄の過程で化石燃料を消費したり、二酸化炭素を排出するから、古いクルマを捨てて新車を買えばエコが達成されるものではない。

仮に環境性能の優れた新車に代替えすることがエコだとしても、そのために古いクルマのユーザーに増税を課して苦しめたのでは、本末転倒だ。

ダイハツ 新型コペン

今の状況を招いた責任は、自動車メーカーや業界団体にもある。小型車と同等かそれ以上に機能の優れた軽自動車を活発に宣伝し、売れ行きを伸ばし、軽自動車が持つライフラインの役割を曖昧にしたからだ。

放っておけば、「今の軽自動車は車両重量や価格が小型車に近づき、増税すればバランスが良くなる」などと誤解されるのだから、メーカーや業界団体は、軽自動車の真実を国に積極的に伝えて増税を招かないように配慮すべきだった。

特に近年では、OEM車を含めると日本の乗用車メーカーのすべてが軽自動車を扱う。小型&普通車は、海外向けの商品が増えて売れ行きを落とした。

その結果、新車販売されるクルマの約40%が軽自動車になり、増税の対象として目を付けられた。

「国内市場は、軽自動車で巧く喰い繋いでね」という商品構成が、増税に結び付いた面もある。自動車産業の味方であるハズの経済産業省も、この状況を見過ごした。軽自動車が40%という比率は、税収を考えればバランスが著しく悪い。

各メーカーに軽自動車の売れ行きを10%落とし、その分を小型車に振り分けるような指導をすべきだった。

そのためには小型車の税制を優遇する必要などがあり、非関税障壁と批判されかねないが、税収確保を軽自動車に求めるのは最悪の結末だ。

少なくとも、老介護のために古い軽自動車を使っている人達から、多額の税金を巻き上げるような魂胆は捨ててもらいたい

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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