[西部警察 特別機動車両 徹底解析 Vol.1]特車サファリ、横浜に現る!

  • 筆者: 山本 シンヤ
  • カメラマン:島村栄二・株式会社石原プロモーション イラスト:遠藤イヅル 製作著作:株式会社石原プロモーション
[西部警察 特別機動車両 徹底解析 Vol.1]特車サファリ、横浜に現る!
【[西部警察 特別機動車両 徹底解析 Vol.1]特車サファリ、横浜に現る!】[イラスト:遠藤イヅル] 【[西部警察 特別機動車両 徹底解析 Vol.1]特車サファリ、横浜に現る!】[イラスト:遠藤イヅル] 【[西部警察 特別機動車両 徹底解析 Vol.1]特車サファリ、横浜に現る!】[イラスト:遠藤イヅル] 【[西部警察 特別機動車両 徹底解析 Vol.1]特車サファリ、横浜に現る!】 【[西部警察 特別機動車両 徹底解析 Vol.1]特車サファリ、横浜に現る!】 【[西部警察 特別機動車両 徹底解析 Vol.1]特車サファリ、横浜に現る!】 【[西部警察 特別機動車両 徹底解析 Vol.1]特車サファリ、横浜に現る!】 【[西部警察 特別機動車両 徹底解析 Vol.1]特車サファリ、横浜に現る!】 【[西部警察 特別機動車両 徹底解析 Vol.1]特車サファリ、横浜に現る!】 【[西部警察 特別機動車両 徹底解析 Vol.1]特車サファリ、横浜に現る!】 【[西部警察 特別機動車両 徹底解析 Vol.1]特車サファリ、横浜に現る!】 画像ギャラリーはこちら

「西部警察」第二の戦士、”特車”たちをクルマ好き視点で徹底分析!

『西部警察』とは、警視庁「西部警察署 捜査課」の大門部長刑事(渡哲也)を中心とする“大門軍団”の刑事達と、それを見守る木暮課長(石原裕次郎)が、極悪な犯罪に立ち向かう姿を描くポリスアクションストーリーだ。

1979年から1984年までの製作数:236話/平均視聴率:14.5%/ロケ地:4,500箇所/封鎖した道路:40,500箇所/飛ばしたヘリコプター:600機/壊した車両の台数:約4,680台/壊した家屋や建物:320軒/使用された火薬の量:4.8トン/使用されたガソリンの量:12,000L/始末書の枚数:45枚・・・

今では再現することが不可能なスケールの大きさは、日本のテレビドラマ史上最強の「ポリスストーリー」と言っても過言ではない。

これまで、現在では再現不可能な豪快な爆破シーンやカーアクションなどが語られてきたが、多くのクルマ好きが注目するのは、マシンX(日産 スカイラインジャパンターボ)、スーパーZ(S130型フェアレディZ 2by2)、RS軍団・RS-1/2/3(DR30型 スカイライン RSターボ)、そしてサファリと言った、西部署配属の「特別機動車両」の存在だろう。これまでも様々な文献で紹介されてはいるものの、実はディテールにまで迫った記事というのは少ない。ここでは“クルマ好き”の目線で、スペシャルモデルたちを詳細にチェックしていこうと思う。

>>西部警察”サファリ”の貴重な写真の数々をフォトギャラリーでもチェック[画像78枚!]

「西部警察」放送開始35周年を記念して発売されたブルーレイBOXに注目!

2014年3月19日、「西部警察」放送開始35周年を記念し、(株)ポニーキャニオンより「アルティメット コレクターズエディション コンプリートブルーレイBOX」が限定発売された。全236話をブルーレイで完全収録(63エピソードは初となる)だけでなく、様々な特典が盛り込まれたこのBOXは、198,000円という値段にも関わらず販売は非常に好調と聞く。

このコンプリートブルーレイBOXの発売を記念して、特別機動車両であるスーパーマシンを稼働したプロモーションが決定! そのモデルが、今回紹介する”特車”「サファリ」だ。

【製作著作:株式会社石原プロモーション/発売元:株式会社ポニーキャニオン】【製作著作:株式会社石原プロモーション】【製作著作:株式会社石原プロモーション】【製作著作:株式会社石原プロモーション】【製作著作:株式会社石原プロモーション/発売元:株式会社ポニーキャニオン】

出動命令・特車“サファリ”

【[西部警察 特別機動車両 徹底解析 Vol.1]特車サファリ、横浜に現る!】[イラスト:遠藤イヅル]

スーパーZやRS軍団、ガゼールオープンなどは、北海道小樽市にある「石原裕次郎記念館」に展示されているのだが、実は日産 サファリは東京都調布市にある「村山商事」にヒッソリと保管されていることは西部警察マニアには有名な話だ。ショールームに展示されていたため状態はまずまずだったものの、動かすことには程遠い状況だったサファリは、石原プロモーションの手により修理が行なわれ、自走可能な状態に復活している。

今回のコンプリートブルーレイBOXの発売に合わせて「日産自動車グローバル本社内ギャラリーへの展示」が実現した。展示期間は、2014年3月21日から6月8日(日)まで。身近に車両を見る貴重なチャンスなので、西部警察ファンならぜひ訪れてみてはどうだろうか?

実はこのサファリ、日産で展示されるのは今回が初めてではない。何と1981年の第24回東京モーターショーの日産ブース「サファリ劇用車」として展示されていた。番組では1982年1月3日放送の西部警察 第111話「出動命令・特車“サファリ”」からなので、まさしく“参考出品”。劇用車がモーターショーのステージで初公開されるとは・・・何ともスケールの大きな話である(笑)。

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鳩村英次(舘ひろし)を隊長とする特別機動車両隊(通称・特機隊)の旗艦となる司令車として開発されたこのマシンは、“犯人を殺さずに逮捕”という設定で開発された。ベースモデルは1980年に登場した初代「日産 サファリ エクストラバン」(VRG160)だ。

フロントマスクは、延長されたフロントバンパーに4.7トンまで耐えられるウインチ(劇中では未使用)、直径40mmの鋼管製グリルガード、IPF製(当時はシビエ製)のフォグランプなどが追加されている。サイドにはオーバーフェンダーが装着され、全幅はノーマルの1690mmから1800mmに拡大されている。

リアドアは上下二分割式に変更されており、上部のパネルを上に開いてから下部のドアを開閉させる方式だ。ちなみに上部のパネルには西部署管内の地図(まだお台場地区がない当時を思い出させる物)が設置されている。実はあまり知られていないが、左側のリアクォーターパネルは開閉可能である。これは撮影用に設置されたのだろう。その一方で、右側ドアとクォーターウィンドウはボディパネルと一体化されているため開閉することはできない。リアドアはノーマル同様に左右観音開きだ。

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アルミホイールはエンケイBAJA、タイヤは前後共RIKEN「LT7」だが、前後でサイズが異なりフロントは7.00-15 8PR、リアは7.50-15 10PRを装着する。リアが1サイズ大きいタイヤなのは、見た目はもちろん装備追加による重量増に対応するためと思われる。ちなみに車両重量はノーマルが1600~1700kgに対して大幅アップの2280kg。放送当初よりタイヤとフェンダーのクリアランスが狭くなっているのは、重量の影響によるサスペンションのヘタリもあるかも!?

ルーフはリアセクションのみハイルーフ化され、室内のスイッチにより電動で開閉が可能だ(実際にはスライド後に支柱を立てて支える)。このルーフに設置されるのは、拳銃では対抗できない犯人を制圧するための2機の“放水銃”だ。放水銃は脱着式でルーフ開閉時に装着が可能で、車両後部に設置されている給水口からルーフ部まで配管が綺麗にレイアウトされている。

連結される放水用タンク車(警視庁 特別機動 0112・日産ギャラリーでは未展示)に2機の放水ポンプ(片吸込1段タービンポンプ式・55ps×2)が内蔵されており、その能力は毎分2.9トンという本格的な物だ。放水銃は1平方センチメートルあたり14kgという高圧で、最大射程距離は約100m。実際にプレハブ住宅なら3分程度で破壊する能力を持っているようだ。ちなみにフロントバンパーにも “散水銃”を設置。これは水煙により敵の目をくらませるアイテムだ。車両下部に配管が縫うように設置されている。

なにより、こだわりまくった司令室のディテールに注目!

【[西部警察 特別機動車両 徹底解析 Vol.1]特車サファリ、横浜に現る!】[イラスト:遠藤イヅル]
【製作著作:株式会社石原プロモーション】

運転席周りは他の特別機動車両と違いノーマルだ。機械式のAMラジオ、エアコンレスの空調など時代を感じさせる。ただ、インパネやステアリング、マットはブラウン、シートやドアパネルがブラック…とチグハグなのは、恐らく撮影のため(映り込みや反射防止)の配慮だろう。

ノーマルでは3人乗りの後席は1名乗車に変更。このシートはスイッチによりリフトアップすることが可能で、放水銃の操作はもちろん銃撃も可能だ(足場もシッカリと設置、シートの後方にはリフトアップ用の油圧制御系も設置されている)。

ここに設置されている特殊装備やアイテムは多岐に渡る。まずセンターには、車両周辺を監視するためのモニターが設置されている。カメラ本体はルーフを開け、各種メーター(サファリ本体や放水タンク車の情報を表示)の下にある操作パネル左端のスイッチにより最大4.5mまで伸ばすことが可能だ。このポールには無線レーダーアンテナも装着されており、50km四方を探知可能なサーチレーダー(中央の丸い画面)に直結している。車両監視モニター上部の小さなモニターには、右側に設置されたコンピューターではじき出された答えや、西部署から伝送される犯人の情報を映しだすことも可能だ。

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各種メーターの上には通常の無線機、左ドアに設置される「赤い電話」は警視総監室へのホットライン(現在は装着されていないが「白い電話」は通常電話だった)、右側壁面のパネルに設置されるのは衛星中継も可能な特殊無線機(車両右リアに設置される長いアンテナがそれ用)を装着する。モニターの右側壁面にあるのはルーフに装着されるサーチライトの操作スイッチだ。

ちなみに右側の壁面後方には発表当初はレスキュー工具などが設置されているとアナウンスされているが、現在は各種制御盤がレイアウト(「49254」の数値が何を意味するのか不明)されている。

パワートレインは3.2リッターの6気筒のNAディーゼル「SD33(最高出力95ps/3600rpm、最大トルク22.0kgm/1,800rpm)」と5速MTの組み合わせ。基本はノーマルだがリアには放水用の配管が装着されているのでサイドマフラー仕様に変更されている。SD33は3~3.5トンクラスのトラックにも搭載されていたエンジンで、規制前のディーゼルということもあり中低速トルクの強さには定評があったと聞くが、車両総重量2280kg+放水タンク車総重量4465kgでは走りはどうだったのだろうか?(劇中では犯人追跡時は素早くタンク部分を切り離していた)

ちなみに走行距離は7825kmと、恐らく現存する初代サファリの中では最も少ない走行距離かもしれない。

【[西部警察 特別機動車両 徹底解析 Vol.1]特車サファリ、横浜に現る!】
【製作著作:株式会社石原プロモーション/発売元:株式会社ポニーキャニオン】

実はマシンXやスーパーZ、RS軍団は木暮課長(石原裕次郎)が発注したのに対し、サファリは団長である大門(渡哲也)が発注した唯一のモデルでもある。他のモデルに対し“ワイルド”なアイテムや装置が多いのは、そのせいだろうか!?

ちなみに製作期間は6カ月、製作総費用は5000万円(!!)だったと言う。活躍が見られるストーリーは、パートIの第111話「出動命令・特車“サファリ”」、パートII 第10話「大追跡!! 静岡市街戦」(サファリの放水攻撃を受けた犯人車輌が転落して爆発炎上!)、パートII 第18話「広島市街パニック」(ジャックされた広島電鉄の路面電車への放水!)、パートIII 第17話「吠えろ!! 桜島 鹿児島編」(敵の基地に放水→電気系統がショートして大爆発を誘発!)などだ。コンプリートブルーレイBOXはもちろん、西部警察 マシンコレクション「サファリ・カタナ篇」で、ぜひ確認してみて欲しい。

[レポート:山本シンヤ/イラスト:遠藤イヅル/Photo:島村栄二・石原プロモーション・ポニーキャニオン]

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【動画】日産ギャラリー「西部警察」サファリ秘蔵映像[日産自動車]

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山本 シンヤ
筆者山本 シンヤ

自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車雑誌の世界に転職。2013年に独立し。「造り手」と「使い手」の両方の気持ちを“解りやすく上手”に伝えることをモットーに「自動車研究家」を名乗って活動をしている。西部警察は子供時代にリアルでTV放送を見て以来大ファンに。現在も暇があれば再放送を入念にチェックしており、当時の番組事情の分析も行なう。プラモデルやミニカー、資料の収集はもちろん、すでにコンプリートBOXも入手済み。現在は木暮課長が着るような派手な裏地のスーツとベストの購入を検討中。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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