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欧州で、日本のスタッドレスタイヤが受け入れられにくいその意外な理由とは?

草加 浩平氏(インタビュアー)
東京大学 大学院 工学系研究科 機械工学専攻 特任教授

ところで「iceGUARD5」は海外でも同じ物を販売しているのですか?

網野 直也氏
横浜ゴム・タイヤ技術開発本部

ロシアと北欧では同じ物を販売しています。

草加 浩平氏
東京大学 大学院 工学系研究科 機械工学専攻 特任教授

ヨーロッパのスタッドレスタイヤは、ドライ路面の高速コーナリングは素晴らしいですが、日本人の感覚からすると雪と氷はやや頼りなく感じます。善し悪しではなく、狙う所が違うんですよね。向こうの人に日本のスタッドレスタイヤをあげるというと、「こんなにブレーキの効くタイヤは追突されて危険だから要らない」と断られました(笑)

ところで軽自動車からSUV、大型セダンまでクルマのジャンルが違うと荷重も違うと思いますが、「iceGUARD 5」が想定したジャンルはあるのですか?

橋本 佳昌氏
横浜ゴム・タイヤ消費財開発本部

「iceGUARD 5」だけではなく、基本的にはあらゆるジャンルの車種に製品のラインナップで幅広く対応できるよう設計しています。SUVには専用のジオランダーがありますので。

草加 浩平氏
東京大学 大学院 工学系研究科 機械工学専攻 特任教授

スタッドレスタイヤの場合は、純正よりもサイズを小さくしたほうがいいのでしょうか?

橋本 佳昌氏
横浜ゴム・タイヤ消費財開発本部

雪の道だけを走るのであれば細めもアリだと思いますが、氷のことも考えると純正サイズが最適でしょう。我々も純正サイズ(一部オプションサイズも)を想定しています。

草加 浩平氏
東京大学 大学院 工学系研究科 機械工学専攻 特任教授

気温はゴムにどの程度影響しますか? 注意点は?

網野 直也氏
横浜ゴム・タイヤ技術開発本部

氷は気温が低いほうがよくグリップするようになります。寒い朝は比較的グリップが強くなる条件ですね。危ないのは気温が上がり水が浮きやすい昼間と、だんだん気温が下がり凍りはじめてくる夕方から夜ですね。
タイヤ自体は、低い分には国内のレベルなら何度に下がっても問題ありません。マイナス50℃以下のロシアでも大丈夫です。逆に日本の猛暑でも問題はありません。摩耗は早く進むかと思いますが。

草加 浩平氏
東京大学 大学院 工学系研究科 機械工学専攻 特任教授

タイヤのモデルサイクルはおおむね3~4年のようですが、今後はどのようなタイヤを開発するのですか? 性能のロードマップのようなものは存在しますか?

橋本 佳昌氏
横浜ゴム・タイヤ消費財開発本部

まずは氷上性能ですね。氷上性能を上げずに他を上げても日本のお客様には買っていただけないので、やはり今後も氷上性能を上げ続けていきます。

草加 浩平氏
東京大学 大学院 工学系研究科 機械工学専攻 特任教授

最後に、ご自身が考える「タイヤの将来像」についてお願いします。

網野 直也氏
横浜ゴム・タイヤ技術開発本部

目指す所は、どんな状況でも変わることなく、性能を落とすことなく同じように走れるタイヤですね。ITS化が進んでクルマの自動操縦が普及しても、それを邪魔しないタイヤ作りも重要となってきそうです。
「本当の意味でのオールランダー・タイヤ」ですね!

橋本 佳昌氏
横浜ゴム・タイヤ消費財開発本部

地球上の路面でもっとも危険な路面である「氷上」の性能向上に尽きますね。現状では、ドライやウェットと比べるとまだまだ性能が低過ぎる氷上を、他の性能を一切犠牲にしないで普通に走れるタイヤ。やはり本当の意味でのオールシーズンタイヤを目指しています。

草加 浩平氏
東京大学 大学院 工学系研究科 機械工学専攻 特任教授

お二人が目指す「夢のタイヤ」は、スタッドレスタイヤが一番近いところに居るといえますね!
今日はどうもありがとうございました。