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開発時は100種類もの素材テスト!

草加 浩平氏(インタビュアー)
東京大学 大学院 工学系研究科 機械工学専攻 特任教授

次に、「吸水ホワイトゲル」とはどういうものなのですか?

網野 直也氏
横浜ゴム・タイヤ技術開発本部

柔らかいゲル状の物をタイヤに配合しています。性質としては親水性の物で、柔らかくて氷に密着する効果と、ゲルなので他のゴムと比べるとそれほど摩耗に強くはないため、自然にそこが凹んで水の逃げ道になるという効果の両方を狙って配合しています。

先ほども言いましたが、硬い物を入れると接地面積を減らしてしまう可能性があるので、密着性を考えると柔らかい物のほうが好ましいのです。

草加 浩平氏
東京大学 大学院 工学系研究科 機械工学専攻 特任教授

絵で見るとゲルが穴よりも小さいですね。寸法的にはどのぐらいですか?

網野 直也氏
横浜ゴム・タイヤ技術開発本部

かなり大雑把に申し上げると、バルーンの穴は数10ミクロンから100ミクロンぐらい。ゲルはその10分の1ぐらいです。

草加 浩平氏
東京大学 大学院 工学系研究科 機械工学専攻 特任教授

開発時には、100種類以上もの素材をテストしたようですね

網野 直也氏
横浜ゴム・タイヤ技術開発本部

「iceGUARD5」の開発のためだけに100種類をテストしたのではありませんが、ゴムの中である程度の大きさを保つ物、吸水、または水の逃げ道を作る観点で、水の逃げ道になりそうなものを配合して長年にわたり評価してきました。たとえば大昔ですと、塩や砂糖といったスーパーで販売している調味料や食材なんかもいろいろ試しましたね(笑) あまり良い結果はでませんでしたけど、何らかのヒントになることはあり、決して無駄ではありません。

草加 浩平氏
東京大学 大学院 工学系研究科 機械工学専攻 特任教授

YOKOHAMAというと非対象パターンのイメージが強いです。「iceGUARD5」ではイン側が氷に強く、アウト側が雪に強いとありますが、その理由とは?

橋本 佳昌氏
横浜ゴム・タイヤ消費財開発本部

現状ではベストと判断した結果ですが、アウト側が「雪」、イン側が「氷」という配置が絶対的に良いのかどうかは、今後の研究結果によるところもありますので断言はできません。ただ、氷については接地面積を増やして止める力を出したいと考えています。最近のクルマのキャンバーや制動時の荷重移動を考えたときに、どちらかというとイン側の接地面積が多くなる傾向が強いため、イン側を氷としています。イン側は、溝を少なくエッジを多くしています。
氷の上はμが低いためにアウト側はあまり接地しないと考えます。

一方、雪は氷よりもはるかにμが高いため、雪の上ではコーナリング時にもしっかりアウト側に荷重がかかりますから、雪の排出も考えたパターンになっています。
これを逆にすると、操縦安定性が低下するという結果もでています。

草加 浩平氏
東京大学 大学院 工学系研究科 機械工学専攻 特任教授

タイヤに右用/左用の設定はないのですか?

橋本 佳昌氏
横浜ゴム・タイヤ消費財開発本部

徹底して突き詰めるなら本来はそうしたいのですが、ローテーションをする時に間違えることがないなどの実用面も考慮して左右の設定はしていません。一般的なお客様にとっては混乱を招く原因にもなりかねませんし、タイヤをそこまで徹底すると面倒がられて敬遠されかねません。
ただし、従来モデルから氷上性能をさらに特化させた「iceGUARD Evolution iG01」はより明確に性能を発揮させるため、左右で分かれる方向性パターンを採用しています。