MOTAトップ ニュース/記事 特集 特別企画 社長に訊く~フォルクスワーゲン グループ ジャパン株式会社 代表取締役社長 庄司茂~ page01

国沢光宏
Q
少し庄司さんを見る目が変わってきました。VWの話を少しお聞きしたいと思います。庄司さんの感覚でけっこうです。VWって日本市場をどう考えているでしょう。
庄司社長
VWにとって日本は13番目前後の市場です。VWは基本的にヨーロッパでガッチリ稼いでいて、その下にアメリカとか中国、ブラジルといったある程度の規模を持つ市場を持っています。日本はその次のグループになります。
国沢光宏
Q
市場としてはそれほど重要じゃ無いということでしょうか?
庄司社長
それがそうでもないんです。消費者は細かい事にウルサイ。壊れちゃダメという難題を出す。売るには情緒が必要等々、複雑な国だと思われている。VW AGピエヒ会長も開発担当のTOPであるハッケンベルク博士も日本は常に見ておかなければならないと思ってます。そういった点では特殊な国かもしれません。
国沢光宏
Q
ズバリ聞きます。ディーゼルはどうなるんでしょうか?
庄司社長
(躊躇せず)これはもう入れます! 1年以内とは言えませんけれど、2年待って頂きたいとも言いません。ヴィンターコーンVW社長とハッケンベルクに「ディーゼルがないと戦えない」と言ったら「やっとそこまで言うヤツが出てきたか!」と答えてくれました。
国沢光宏
Q
今まで日本側でハッキリしなかった、ということでしょうか? 今までずっと出すとか出さないとか言葉を濁してましたから。
庄司社長
いえいえ、私だけのチカラじゃありません。ハッケンベルクも日本のディーゼル市場が急拡大していることを知っており、いろんな意味で機が熟したんだと思います。ハイブリッドではトヨタと戦っても厳しいが、ディーゼルならトヨタが厳しいよ、という話を本国の技術者に聞きました。
国沢光宏
Q
調子に乗ってドンドン聞きます。EVはどうするのでしょうか? ホンキで来ますか?
庄司社長
ディーゼルほどじゃないですけれど、これもやります。来年末までに、e-up!とe-ゴルフの順です。やはりEVを持っていないと自動車メーカーとしてのイメージが良くないと考えます。今からやっていかないとダメでしょう。
国沢光宏
Q
前の社長がVWを日本で11万台売りたいという大風呂敷を広げましたがその流れは?
庄司社長
ははは! 大きな風呂敷はそのままにしておきます。その上で中身をキッチリと詰め込めるよう努力しています。何とかなるんじゃないかな、と思い始めました。具体的にはディーラーの質の向上&拡充。次にブランド戦略。そして商品です。ディーゼルだけでなくMT車もなくちゃ!
国沢光宏
Q
おお! MT車ですか! VWグループジャパンの人とは思えない!!
庄司社長
VWって色気が無い。だからMTは必要です。VWは実はブランド力が弱い。ブランド力があるメーカーは、エンブレムが付いていれば何でも良い。でもVWの場合、「ゴルフが欲しい」とか「ビートルが欲しい」みたいな指名買いなんです。「VWのクルマが欲しい!」とブランドで選んで頂けるようなりたい。
国沢光宏
Q
最後に庄司さんの趣味をお聞きしたいと思います。
庄司社長
変に思われるかもしれませんが、クルマを売ることが楽しくてしかたないです。これほど情熱を注がないと売れない商品は無いですから。当然ながらクルマにはトラブルだって発生しますけれど、それの対応にもレベルの高さが必要です。朝から晩までユーザーに満足してもらうことを考えています。これからのVWを見ててください。少し変わったな、と思われるようにしたいです。

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フォルクスワーゲン グループ ジャパン 株式会社 代表取締役社長 庄司 茂 (ショウジ シゲル)
1985年 4月

伊藤忠商事(株)入社 (自動車本部 配属)

1988年 5月

伊藤忠商事(株)人事部 語学研修 (ドイツ)

1992年 6月

マツダオーストリア社(伊藤忠出資 - 当時)出向 社長補佐、経営企画担当

1994年 1月

マツダモーターハンガリー社 (伊藤忠出資 - 当時) 社長

1998年 10月

伊藤忠米国会社駐在 自動車担当

2000年 11月

伊藤忠商事(株)南アフリカ支店駐在

2004年 2月

伊藤忠商事(株)自動車第一部、開発戦略室

2009年 11月

スズキモーターロシア 社長 (伊藤忠50%出資会社)

2012年 6月

フォルクスワーゲンAG入社

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