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ZF

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ラッキー8

「ZF」って何?!

世の中には、”知られざる大企業”というのがたくさんあって、ZF(ゼット・エフ)もそのひとつだ。なにしろ、世界の自動車サプライヤーのトップ10の常連であり、駆動系やシャシーの分野を 中心にグローバルで先進技術を供給できる底力を持つ。  


そういわれても、まだピンとこない人も多いだろう。いったい何を作っている会社か?といえば、社名が”Zahnradfabrik Friedrichshafen(ドイツ語で「フリードリッヒスハーフェンの歯車工場」の意)”の略であることから分かる通り、ギアおよび変速装置の製造を目的に1915年に創業された。当時、最先端だったツェッペリン飛行船用の部品はもちろん、自動車やトラックなど幅広い技術開発を手がけるようになる。1992年に、社名をZFと改変した後もその伝統は連綿と受け継がれており、現在では、駆動系やシャシーに加えて、ステアリング・システム、ディファレンシャル、アクスルまで幅広い分野で技術を提供している。


自社のみならず、技術を提供した自動車メーカーの伝統にも敬意を表して、フリードリッヒスハーフェンにある本社にはトラクターからヘリコプターまでを揃えたコレクションが保管されている。どれをとっても「珠玉」という表現がふさわしいが、あえていくつか挙げるなら、1940年型マギルス社製消防車、1957年型ポルシェ・ディーゼル・ジュニアなるトラクターなど、ごく初期の商用車用ZF製トランスミッションを備えた興味深いモデルに注目したい。乗用車では、1967年型BMW 2000C(トランスミッションとステアリングギアがZF製)、1973年型アルファ・ロメオ・モントリオール(5速MTとディファレンシャルがZF製)をはじめ、アストン・マーティン、マセラティ、メルセデスベンツなど、当代随一の自動車メーカーの開発に深く関わってきたことを感じさせる実車によるアーカイブが並んでいる。


当然、その時代ごとに最先端の技術を投入するモータースポーツの分野でも、ZFの技術は活躍している。メルセデス・ベンツを代表するレーシングカーである1914年の”グランプリ・モデル”、もはやモータースポーツ界の伝説と呼ぶべき1937年のシルバー・アローズのいずれもZFの技術を搭載していたし、1960年代にジム・クラークが2度のワールド・チャンピオンに輝いたロータス・クライマックスにも、1966年のル・マン24時間耐久レースにおけるフォードGT40の1−2−3フィニッシュの影にも、ZFの技術があったのだ。 世界最高峰のレースに積極的に参加し、技術を磨く姿勢は、現代にも受け継がれている。例えば、1993年から参戦しているフォーミュラ1では、航空仕様を満たすグレードのカーボン、チタン、アルミといった軽量素材を使ったカーボン・クラッチの信頼性と始動性で定評がある。現在、フェラーリなどの数社が採用するローテーショナル・ダンパーは、応答性と軽量・小型化で定評があるなど、独自性のある技術を提供している。さらに、WRCやWTCCでもZFの技術が活躍している。日本では今年、スーパーGTへの参戦も果たした。モータースポーツの分野での長年の蓄積を活かして開発されたクラッチやショックアブソーバなどの信頼性は高く、今年はトヨタ、ホンダ、ニッサンの「GT500クラス」と「GT300クラス」の全車両にZFのロゴが掲げられていた。


歴史的な車両や世界最高峰のモータースポーツに、いかにZFの技術が貢献したかを知ったところで、ようやく世界のサプライヤー・トップ10に入る同社の製品群にスポットをあててみよう。その代表格は、なんといってもFR用8速オートマチック・トランスミッションだ。特にFRの高級車用では一人勝ちの感がある。以前に広く採用されていた5段ATと比べてマイナス22%、2006年に市販された6速ATと比べてもマイナス11%の低燃費化がはかられている。この8速ATは、4つの遊星ギア・セットと2つのシフト・エレメントというシンプルな構造で、多様化する要求にあわせてアイドリングストップ機構やハイブリッド機構にも対応できるなど、低燃費化の動きが加速する時代に沿ったソリューションとして登場した。


さらに今年、新たに9速ATをひっさげてFF用の市場にも打って出た。乗用車の約75%がFFを採用する中、FR用ATで築いた牙城をFF用ATにも広げる目論見だ。当然、様々な憶測が飛んだが、いざ、フタを開けてみると、ZFらしい技術志向の製品だった。8速ATでも使われるクラッチ・セットに加えて、2個のドグ・クラッチを新たに採用したのが新奇なところだ。技術をかじった人なら、ドグ・クラッチを使うと、変速時にショックがあると予想するはずだ。が、実際に運転してみるとあまりにもスムーズな変速でまるで狐につままれたようだった。しかも、2段、3段飛びなども軽々とやってのける。その秘訣は、エンジンとの協調制御にある。機械技術に強いとばかり思っていたが、制御系でも高度なテクノロジーを併せ持っているようだ。


もう一つ、特筆すべきは足周りを得意とするZFザックスの存在だ。アダプティブ連続ダンピング・コントロール(CDC)、アクティブ ステアリング、アクティブ・ロール・スタビリティ(ARS) システムなど、すでに欧州では広く浸透しつつある。なかでも、CDCの採用の広がりはめざましい。状況に応じて各輪の減衰力を最適化することにより、高い運動性能と安全性や快適性とを両立する。平たくいえば、極限の領域でスポーティな走行性能を保ちつつも、ゴツゴツと硬い乗り心地ではなく、快適性も高いという、ちょっと前なら夢のように思えた電子制御のダンバー技術なのだ。驚くことに、ボディ、車輪、Gなどをセンサーで監視し、各輪で必要とする理想的な減衰エネルギーを計算し、すばやくダンパーを調整するということを、数ミリ秒以内で行っている。


しかも、フェラーリやロールスロイスといったごく限られた人のための高級車だけではなく、オペルやフォルクスワーゲンなどの多くの人にとって手が届く価格帯のクルマにも搭載されているところも評価すべきだ。今年の夏の段階で、CDCを積んだ車両はなんと1400万台を越えたという。


その他にも、ZFの技術のすべてを挙げたら、いくらWEBサイトでも紙幅が尽きてしまいそうだ。駆動系やトランスミッション、シャシーなどのZFが得意とする技術は、普段は気付かれずにスムーズな制御をしている方が良しとされる。話題にのぼるときはむしろ、ギアノイズなどのネガティブな要素がある際の方が多い。1915年の創業から1世紀近くに渡って、縁の下の力持ちとして、黙々と自らの技術を磨いてきた”知られざる大企業”のZFが、少なくてもこの記事を読んだ皆さんにとって”知る人ぞ知る先進技術をリードする企業”となってくれたら嬉しい。

筆者プロフィール: 川端由美

1971年生まれ。大学院 工学専攻 修士課程修了。1995年住友電工にて、カーエレクトロニクスやタイヤの研究にたずさわる。1997年、二玄社『NAVI』編集部に編集記者として転職。2004年からフリーランスの自動車ジャーナリストとなる自動車の新技術と環境問題を中心に取材活動を行なう。エンジニア、女性、自動車ジャーナリストといったハイブリッドな視点でリポートを展開する。国土交通省・独法評価委員会委員、環境省・有識者委員ほか。