autoc-one.jp 記事・レポート 特集 特別企画 社長に訊く ~日産自動車株式会社 代表取締役 最高執行責任者(COO)志賀 俊之~

国沢光宏
Q
最初から厳しい質問です。日産デイズで燃費1番をアピールしましたが、すぐ抜かれました。激しさを増す燃費競争について志賀さんはどう考えますか?
志賀COO
自動車と言うのは地球の資源を使い、排出ガスを出すという負の部分を持っています。燃費を良くする、というのは正しい方向ではないでしょうか。競争することにより技術が進む、という側面も大きい。2000年にリッター14kmだった平均燃費が今や2倍近くになったほどです。デイズの燃費ですが、いつかは抜かれることを想定してましたね(笑)。もちろん次のシナリオを練ってます。時代の流れの中で切磋琢磨させていきたいと思ってます。
国沢光宏
Q
ここにきてニーズが高まっている安全技術はいかがでしょう? メーカーによっては今後全ての車種に自動ブレーキをラインナップするようです。
志賀COO
クルマ文明の持続可能な道具にするためには環境と同じく絶対必要なことだと考えています。ぶつからない技術なども重要で、実際『セーフティシールド』(対車両や対歩行者に対する多重の安全技術)に代表される技術開発はしっかり行ってます。非常に残念ですが、立場上、具体的な技術戦略をこの場で紹介することが出来ません。高速道路の逆走を防ぐためのデバイスなども必要でしょう。
国沢光宏
Q
現時点で見ると安全技術で日産は少し出遅れているように感じます。
志賀COO
技術的に遅れているというより、普及戦略の問題だと思っています。高額車にはいろいろ安全装備が付いているのですけれど、普及と言う点で遅れてしまいました。
国沢光宏
Q
そういわれてみればシーマが最初に自動ブレーキやレーンキープなどを採用しました。もう14年も前のことです。
志賀COO
どんな技術を普及させていくか、という選択の問題と言ってよいかもしれませんね。当社は先行車に接近するとアクセルを自動で押し戻すような装備や、死角に入ってしまう小さい子供を守るアラウンドビューモニターなど早い時期から実用化しています。
国沢光宏
Q
続いて軽自動車です。ディーラーにとってみれば、NMKVの車種もスズキのOEMモデルも利益はあまり変わらないでしょう。そういった意味からすれば、どちらを売っても良い。スズキは自動ブレーキを採用し、NMKVが間に合わないという状況になったらいかがでしょうか?
志賀COO
OEMモデルよりNMKVで開発した車種の方が日産の意思を強く反映できます。とはいえ状況によって難しい判断になります。燃費を追求しようとなったときも簡単ではありませんでした。ただデイズを発売して強く感じたのですけれど、デザインから一緒にやってますので「やっぱり日産らしいな」と思い、ちょっと嬉しくなりましたよ。今後も日産の技術を上手に活用していきたいですね。
国沢光宏
Q
最近日産のブランドイメージが薄くなっていると言われており、結果として高額車の売れ行きが厳しくなったように感じます。
志賀COO
12月に日産80周年を迎え、社内で過去のクルマを考える機会が増えてます。先日も取締役会でカルロス・ゴーンを含め10人で好きな日産車を選びました。ゴーンはダットサン14型ロードスター。片桐副社長は510ブルーバード。240Zを選んだ人もいましたね。今までの日産はお客様に「ワオ!」と言ってもらえるクルマを作ってきたことを皆で再認識しています。
国沢光宏
Q
ちなみに志賀さんが選んだ日産のベスト車はなんだったんでしょう?
志賀COO
ははは。K10(注・初代モデル)のマーチです。結婚したらスカイライン買うぞって宣言したんですけど、お金がなくて出たばかりのマーチにしました。その後、インドネシアに赴任するまでの9年間乗り続けました。女房から「いつスカイラインを買うの?」と攻められましたね~。でも子供が小さい頃、マーチでいろんな場所に行ったりしたりして、楽しい思い出ばかりです。

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