MOTAトップ ニュース/記事 特集 特別企画 社長に訊く ~ビー・エム・ダブリュー株式会社 代表取締役社長 アラン・ハリス~

国沢光宏
Q
イギリス出身の方がBMWの日本代表をやっている、ということは日本人からすれば少し興味深く感じます。
経歴を教えて頂ければ、と思います。
ハリス社長
私のキャリアのスタートはエンジニアです。
イギリスでポルシェやベンツなど、多くのクルマに接してましたが、その中でBMWだけひと味違うんですね。技術の高さなど、私好みでした。加えて1980年代の半ばにモータースポーツでBMWの強さを見せ付けられ、BMWに入った、ということです。
国沢光宏
Q
私が学生の頃はBMWと言えば自動車と言うよりオートバイや航空機のイメージでした。イギリスではいかがでしょう?
ハリス社長
確かにBMWは航空機のエンジンから始まっています。その後、モーターサイクルも加わりました。ただイギリスに於いてのBMWのイメージは自動車が作りました。BMW2002 の頃から突出したドライビングダイナミクス(走る楽しさ)を持っており、初代3シリーズで決定的な評価を受けたと思います。そしてBTCC(注・当時世界で最も激しい戦いだったイギリスの4ドアセダンを使ったレース)での強さが決定的でした。
国沢光宏
Q
航空機とモーターサイクルの件、イギリス出身のアランさんにとって愚問だったかもしれません。なんたってイギリスにはロールスロイスというBMWに負けていない素晴らしい航空機エンジンがありましたし、トライアンフやBSAというモーターサイクルはレースでBMWを圧倒していましたから(笑)。

アランさんは多くの国でBMWを扱ってきたとお聞きしていますが、日本のマーケットの印象はいかがでしょう?
ハリス社長
最近の日本市場はBMWにとって順風満帆ですね! 心強いです(笑)。国の政策も消費を後押ししてくれるので、今後も大いに期待出来ると考えています。そして日本でのBMWのブランドイメージは非常に強いと感じています。
国沢光宏
Q
日本のユーザーの特殊性などありますか?
ハリス社長
日本のお客様はアフターサービスや品質に対する要求レベルが非常に強いと思います。そして環境にやさしいクルマも求めている、と言う点で突出しています。折しもBMWは環境に優しいクルマを浸透させたいと思っているので、BMWの戦略が日本と合っていると感じています。
国沢光宏
Q
アランさんの言う通りここにきてBMWは「走り」と同じくらい環境技術に注力しているように感じます。日本市場だけに言えることで無く、BMWの方針でしょうか?
ハリス社長
私たちの戦略の中で最も大きな柱が「効率の追求」です。だからこそディーゼルやハイブリッド車、そして電気自動車といった新しい技術を開発し、投入し始めました。将来、自動車産業の中で生き残るためにも、効率(環境性能)が重要でしょう。これは日本だけで無くアメリカやヨーロッパでも必要です。BMWは環境技術のリーディングカンパニーであるべきだと信じています。

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