メルセデスベンツ・A-class
3代目へと進化したAクラスは、従来のスペース効率を優先したミニ・ミニバン的なフォルムから、オーソドックスなハッチバックスタイルへと変身。同社のイメージリーダー的モデル「SLS AMG」を手掛けたデザイナーの手によって、ワイド&ローのスポーティなスタイリングへと変貌した。獰猛な野生動物をイメージさせるフロントマスクや、スピード感を印象付けるボディサイドのプレスラインは、これまでのAクラスとは一味も二味も違う。一方のインテリアもまたスポーツテイストに溢れ、「SLS AMG」譲りの丸型のエアコン吹き出し口やスポーツシートが印象的。今までのファミリー向け的イメージから脱却し、プレミアム・コンパクトへと大きく舵を切った印象を受ける。
搭載されるエンジンは1.6ℓと2.0ℓが用意され、どちらも4気筒直噴ターボとなる。
前者はA180ブルーエフィシェンシーと同スポーツに、後者はAMGが開発に携わったA250シュポルトに搭載。効率に優れるミッション「7G-DCT」とアイドリングストップ機構が組み合わされ、A180系は15.9km/ℓの好燃費を記録する。またエントリーモデルながら、安全性への強いこだわりはメルセデスらしいところ。全車速追従型レーダークルーズコントロールなど先進の安全運転支援システムも用意される。小さくても、中身はしっかりメルセデスなのだ。
ランドローバー・レンジローバー イヴォーク
SUVといえば「大柄でタフなクルマ」と相場は決まっているが、そんな既成概念に一石を投じたのが「大柄でタフ」の代表的ブランドであるランドローバーから登場した、レンジローバーイヴォークだ。精悍な顔立ちや、後方に向かって下がる低いルーフ、ワイド&ローのフォルムはスポーツカーさながらの美しいボディで、多くの人が「カッコイイ!」と感じる普遍的なスタイリッシュさを持っている。それでいて全てのピラーをブラックアウトしていたり、ボディサイドに凹型のプレスを入れたりとレンジローバーらしさも巧みに取り入れた完成度の高いデザインを見ると、デザイナーの手腕には脱帽せざるを得ない。インテリアは近年のレンジローバー車の流儀に従い、幅の広いセンターコンソールが運転席と助手席を分断するタイプ。さすがにレンジローバー・ブランドだけあり、細部までこだわった上質な仕上がりは十分ゴージャス。パワートレーンは2.0ℓ直噴ターボ×6速ATのみの設定だが、ボディは2ドアと4ドアがラインナップされる。何よりSUVスタイルながら2ドアという、クロスオーバーの要素もあわせ持っており、それが他のSUVとは違う個性になっている。4WDはFFベースのスタンバイ式だが、統合制御システムのテレイン・レスポンスによりオフロードの走破性もレンジローバーの名に恥じない、お洒落なプレミアムSUVとなっている。