「TOYOTA GAZOO Racing FESTIVAL 2012」イベントレポート vol.1/マリオ二等兵(2/2)
- 筆者: マリオ 高野
- カメラマン:マリオ二等兵
「TOYOTA GAZOO Racing FESTIVAL 2012」はブランドの垣根をも越える!
基本的にはトヨタのGAZOO Racingブランドのイベントでありながら、実際にはブランドの垣根を越えた、純粋にクルマ好きが幅広く楽しめるものになっていることを強く実感したもののひとつが、「ニュルブルクリンク24時間耐久レース」にトヨタとSTIから参戦しているドライバーたちのトークショーでした。
レクサスLF-Aとトヨタ86のドライバーを務める木下隆之選手、脇阪寿一選手、影山正彦選手、大嶋和也選手、佐藤久美選手に加え、STIの辰己監督とインプレッサを駆る佐々木孝太選手、そして日産GT-Rで参戦した人気ゲーム「グランツーリスモ」の開発者である山内一典氏という、異なるチームのメンバー同士がニュル24時間を語ってくれたのです。
印象深いコメントをピックアップすると、
STI辰己監督
「自動車メーカーは社内に居るばかりでは、“走りで戦う”ことを忘れがちになります。クルマの走りの良さをアピールするには外へ出て戦わなければなりません。 安全性や燃費も大事だけれど、走って楽しいことをクルマの本場ヨーロッパでアピールするためにもドイツのニュルで戦う必要があるのです。
闘う姿勢を国内外のユーザーに共感してもらえるように頑張っています。
GAZOOやSTI、それ以外にもいろいろな日本メーカーがありますが、その部分においてはみんな気持ちはひとつだと思いますね。“日本チーム”として欧米に勝ちたいと思っています」
佐々木孝太選手(STI)
「過酷なニュルでの24時間耐久レースには思いがけないドラマがいっぱいなので、チェッカーフラッグを受けた時の感動は素晴らしいものがあります。ゴールしてからクルマの中で、涙が枯れるほど泣き尽くしてしまいました」
山内一典氏(グランツーリスモ日産GT-R)
ニュルは世界一過酷なコースなので、挑戦のし甲斐がありますが、慣れてくると楽しくなります。エンジニアにとって、あれほど楽しいコースはないのではないでしょうか。私はバーチャルの世界にニュルの過酷さと楽しさを再現し、それを皆様にアピールしたいと考えています。
大嶋和也選手(トヨタ86)
「テストでは4時間しか走れなかった点が不安要素で、4時間から先は未知の領域でしたが、マシンは最後までノートラブルでビックリしました。耐久性の高さを実証できましたね」
影山正彦選手(トヨタ86)
一番大変だったのは、やはり86では初めての長丁場だったことです。2台ともリタイヤすることのないよう、1台は少し安全マージンをとって走り、大嶋組は攻めの走りでしたが、2台とも完走できました。結果は、上手く行き過ぎたぐらいでしたね」
佐藤久美選手(トヨタ86)
「クルマの信頼性もわからなかった上、私自身も24時間のレースは久しぶりだったのですが、86は燃費がいいので睡眠時間はそれなりにとれるのが助かりました」
飯田章選手(レクサス)
「上の速いクラスとどのくらい戦えるかにも注目して走りました。今年は集大成なので、結果を残せて良かったです」
脇阪寿一選手
「ニュルは他のレースよりも危ないので、家を出る時には、再びこのドアに帰ってこれるかな……という思いが頭をよぎりますね。 しかし、何よりも辛かったのは、成績は木下選手の機嫌次第で左右されるということです。木下選手はお年をめされているので、走る場面が限定されます。雨は危なく、夜は暗く、昼は熱くて眩しいなど、走れない場面が多いのです。
あとは、仮眠中に木下選手に起こされて『俺はすごいね。今の俺の走りはすごかったよ!』といちいちアピールされることが……。 何が一番大変かというと、それが一番でした」
木下隆之選手
「これからも、日本にもすごいクルマとドライバーが居ることを世界中にアピールしたいと思います!(笑い)」
このような感じで真面目にレースでの出来事を振り返りながらも、少しくだけた冗談も飛び交ったのでありました。ステージだけでも10本ものトークショーが行われましたが、全部観るとそれだけで一日が終わってしまうので困ったものです(笑)
さて、次回はマリオ的に注目した来場者の皆さんの声を紹介したいと思います。
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