ダンロップ 新時代のタイヤ作りを密着レポート ~先進技術を求め、本社研究所に突入!!~ 後編(2/3)
- 筆者: 今井 優杏
- カメラマン:オートックワン編集部
エナセーブPREMIUM vs AAA-a(未発売)(195/65R15 使用車両:プリウス) <WET比較>
テストコース内で低μ路(ミュー:摩擦係数。人工的にグリップを下げた路面を低μ路という)を使ってのウエット性能テスト。
現在発売されているエナセーブPREMIUMはウエット性能が“c”とラベリングされていますが、すでにライバル・ブリヂストンやトーヨータイヤではこの夏に同AAA-aグレードのタイヤが発売されています。
ダンロップでも完成を待たれていましたが、やっぱり!すでにプロトタイプができてるんです。近く発表されることが期待できるこのAAA-a、さすが“a”ランクのグリップに感動!散水してかなりハードなウエット状態になっている円形のコースを定常円旋回するのですが、PREMIUMでは時速35km/hになったところでリアがズルッ、ズルッと滑り、電子制御が介入してそれ以上スピードを上げることができません。
しかしAAA-aではなんと限界が10km/hもアップ!48km/hに達してやっとテールがスライド。しかも滑っても一瞬でグリップが戻るので、電子制御にも助けられてドリフト状態を保持することができません。
贅沢を言うなら電子制御ナシのクルマでもっと試したかったですが(ドリフトしたいだけ、とも言う…)相当高性能なタイヤができそうですね。楽しみ!
50%軽量化タイヤ (195/65R15 使用車両:プリウス)
なんと通常のタイヤからその名の通り50%も軽量化した!というタイヤに試乗。バネ下重量低減による操縦安定性の向上と省資源化に努めたということですが、こちらはさすがにプロトタイプ、軽くすることによるバタつきとノイズは否めませんでした。その分プリウスのモーター走行時からその軽さを実感します。とにかく進む進む!
実重2kgも軽いというこのタイヤ、実現すれば整備工場や販売店に喜ばれる商品になるのかもしれません。
『転がり抵抗比較』 エナセーブEC202 vs 50%転がり抵抗低減タイヤ(プロトタイプ)(195/65R15 使用車両:プリウス)
エンジンをオフにし、ニュートラルギアにて積載車から惰性走行を行った際、どれだけ転がるかを試乗しました。
結果EC202は80,7m、比べて50%低減タイヤは127,9m!ダントツの転がりです。何より、積載車から地面にトン、と降り立った時の高反発感にビックリ。思わず「これ、同じ空気圧ですか?」と聞いてしまったほど。そう、空気をパンパンにしたタイヤに乗っかっているような感じなんです。
転がり抵抗を低減させるため、かなり硬いコンパウンドを使用している印象。もちろん敏感にノイズも拾いました。
それにしても「50%転がり抵抗低減!」とか「50%軽量!」とか、ずいぶん大胆な数値を掲げていると思いませんか?
それは「お客様にとってわかりやすい性能向上でなければ意味がない、すぐに実感してもらえる進化を目指しているんです」とのこと。
丸くて黒くてなんだかよく解らない…というタイヤだからこそ、メーカーは頑張っているんですね。
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