発電するエコカー!?まもなく新型ワゴンR発表!スズキ ワゴンR 歴代モデル特集(3/4)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:スズキ株式会社/オートックワン編集部
ターボを加え、エンジンを4種類にした3代目モデル
1998年に2代目ワゴンRをはじめとして数多くの軽自動車が投入されると、市場は一気に活性化した。2001年には初代eKワゴンが人気を高め、スズキは初代MRワゴンを加える。翌年にはムーヴとミラがフルモデルチェンジされ、ホンダはザッツを投入した。
初代モデルの時点ではワゴンRの弧軍奮闘だった背の高い軽自動車も、もはや主力の存在。競争が激化していた。
その矢先にフルモデルチェンジされた3代目ワゴンRは、「ワゴンRらしさ」を前面に押し出す。ホイールベースは2代目と同じ2360mmだが、フロントウインドーを大幅に前進。ルーフパネルの前後長も200mm近く拡大している。ボンネットは短く、車内を広く見せる外観に仕上げた。卵型の初代MRワゴンとの違いを明確にする意味もあっただろう。
フロントウインドーの前進により、フロントシートとの間隔が100mm以上広がり、乗員の開放感も増している。スイッチ類の張り出しを抑えたインパネは、上側から見ると円弧を描くデザイン。中央を乗員側に張り出させ、左右を引っ込めて広さをさらに強調している。運転席と助手席間の移動も容易になった。
エンジンは4種類をそろえ、ノーマルタイプのほか、最高出力が60馬力のMターボ、さらにRRには直噴式を含めて2種類の64馬力ターボを用意した。
興味深かったのは、2003年9月に一新されながら、同年中は軽自動車の月別販売首位をムーヴと一時的にだがライフに譲ったこと。ワゴンRは首位に立てなかった。「3代続けて同じデザインでは失敗する」と悪口を言われたが、2004年には首位に立つ。そこがワゴンRの強さだ。ユーザーの生活に浸透したツールだから、フルモデルチェンジされても急激には販売が伸びない。その代わり時期がくれば確実に代替えされる。いわゆる「新車効果」が生じないのは、本当の人気車の証であった。
あの頃の陽一郎 ~40歳を迎えて心から人に感謝することを知った~
2001年、私は40歳になって勤務していた出版社を退社し、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストになった。青臭い話だが、あの時ほど人と人との繋がりに感謝したことはない。編集長の経験はあっても、執筆者としては駆け出し。何の実績もない。それなのに知り合いの編集者を訪ねると、「この原稿書いてみる? お試し期間だけど」などと言いながら仕事の依頼をしてくれた。スズキを含め、メーカーの広報部の対応も嬉しかった。「変更のあった車種のカタログは郵送するし、試乗会にも来てよ」と言ってくれた。スズキの広報部に挨拶に出向いた時のことは、今でもハッキリと記憶している。オートックワンの執筆も、同様の繋がりがあったからだ。情けない話だが、40歳を迎えて、心から人に感謝することを知った。
もちろん、一番のお客様は編集者時代から変わらぬ読者諸兄だが、フリーランスになると、似たような仕事に見えても立場は大きく変わる。
この記事にコメントする