【ahead×オートックワン】-岡崎五朗のクルマでいきたい- フォルクスワーゲン ゴルフブルーeモーション
- 筆者:
EVであってもゴルフの個性は失われない
ゴルフのEV「ブルーEモーション」は開発段階のプロトタイプであり、市販は来年を予定している。
来年といえば、ゴルフはすでに7世代目にモデルチェンジしているわけで、今回試乗できたゴルフ6ベースのEVは、あくまで開発用、もしくは「VWもEVに積極的に取り組んでいる」ということをアピールするのが目的のクルマということになる。
とはいえ、来年デビューすることが確実なVW製EVの実力を占う上で大いに注目すべきモデルと言えるだろう。
ご覧のように、ステッカーやバッジ以外は普通のゴルフと同じ。大きなバッテリーを搭載している関係でラゲッジは350リッターから275リッターへと少し小さくなったが、それを除けばEVだからといって特別なプラスもなければマイナスもない。
搭載しているモーターは115ps/270Nmで、バッテリー容量は26・5kw/h。車体サイズを含め、日産リーフ(109ps/280Nm、24・0kw)とほぼ同じスペックだ。
1充電あたりの航続距離は150㎞とリーフの200㎞に及ばないが、これは日欧の測定モードによる違いであり、車載の電費計から推測すると、どちらも街中中心の使い方では7~8kw/h程度と、同等だ。
モーターを使った加速フィールは伸びやかで気持ちがいい。音も静かだ。けれどいちばん印象的だったのは根っこにあるのが「ゴルフ」というクルマがもっている緻密感だったり厚み感だったりすること。どこか薄っぺらい印象を拭えないリーフとの違いはそこにある。ベースとなったティーダとゴルフの違いがそのまま乗り味に表れているというわけだ。
たとえエンジンがモーターに置き換わろうと、メーカーの個性が乗り味としてストレートに伝わってくるのは実に興味深い。EVになったからといって、クルマづくりや、それを評価するパラダイムがひっくり返ることはない。そんなことを再認識させるクルマだった。
車両本体価格:未定
車両総重量:1,545kg
最高出力:85kW(115ps)
定格出力:50kW(68ps)
最大トルク:270Nm
駆動方式:前輪駆動
(全て実験推測値)
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