ルマン参戦 日産デルタウィングがレースカーの概念を覆す!(2/3)

  • 筆者: ピーター ライオン
ルマン参戦 日産デルタウィングがレースカーの概念を覆す!
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幅10cmのタイヤだって?? 冗談だろう!?

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さらにデルタウィングは荷重配分も再定義し、前輪27%後輪73%とした。これは、コーナリングが超速いクルマを作るヒントになるだろう。

それで曲がれるかって?もちろん!ミシュランのお陰だ。

デルタウィングの信頼性を極めるのに、ミシュランの徹底的な協力は不可欠だった。このマシンが必要としたのは、高性能ゴムで幅が狭い、それまで存在していないタイヤだった。

ミシュランは、その高度なレース専門知識と技術によりゼロからタイヤを開発し、わずか4インチ(10cm)のタイヤを完成させた。この幅細のフロント・タイヤと、これまでになく幅の狭い前輪トレッドで、リアウィングを持たないデルタウィングが、他のどのマシンにも出来ないコーナーリングを実現させた。

負荷が少ないフロントタイヤと、主なダウンフォースをシャシーで生みだす革新的なエアロダイナミクス・パッケージで、フロントタイヤはらくらくターンインし、3Gのかかるコーナーも優に時速250km超えという速度で切り抜ける。

今年のル・マンは日産がジャック!

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その日、デルタウィングはグリッドで一番の人気者だった。そして、日産はサーキットでいちばん目立つ自動車メーカーだった。デルタウィングの他に、日本スーパーGTシリーズで使用されるものに近い日産V8エンジンを13台のLMP2車にサプライしていたからだ。

また、その日産V8エンジンで走るドライバーのうちの2人は、日産GTアカデミーのチャンピオン、ルーカス・オードネズとジョーダン・トレソンで、グランツーリズモのゲーマーが、本物なレーサーになれることを証明していた。

会場のいたるところに日産のバナーや看板もあったのだが、この2人の存在こそが日産の存在感を際立たせ、目立っていたことは明らかだ。しかし、それがトヨタの不満を引き起こしていたと日産のある重役は言っていた。

「トヨタは、デルタウィングの参戦を許可したこと、そして、トヨタの半分程しかル・マンのレースに注ぎ込んでいない日産がこんなに露出が多いことについて主催者に文句を言っている」とのことだった。

それについてイギリスのコメンテイターはこう述べていた。「デルタウィングも目立ったけど、日産はこのイベントに参加したマシンの1/4にエンジンを供給した。つまり、今年のル・マンは日産のものってことだよ。だから日産のバナーがこんなにたなびいて、ガンガン盛り上がるのも当然さ。そこは、トヨタも理解しなくちゃね。」

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そういう波風も立ったものの、デルタウィングは1号車のアウディに18秒遅れる3分42.6秒をマークして29位からスタート。

ドライバーの顔ぶれを見れば、日産が本気なのがすぐ分かる。ドイツ人ドライバー、マイケル・クルムはFIA GT1のチャンピオンであり、またスコットランド人のマリノ・フランキティはハイクロフトのチャンピオンシップ・レーサーだし、本山哲はF3で何度も優勝しているし、スーパーGTのタイトルも獲得するなど、日本でもっとも勝利を挙げているレーサーの1人だ。

デルタウィングはすばらしいスタートを切り、レース序盤は速いペースを維持、3分45.7秒というファステスト・ラップをたたき出した。

クルムがピットインして本山に交代した際、クルーはこのレースで1回だけのタイヤ交換を行った。その模様はぜひビデオで見て欲しい。フランキティは「デルタウィングのハンドリングは素晴らしく、燃料消費は半分という目標も達成してるし、タイヤの摩耗も少なく驚くほどだ」と語った。

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筆者ピーター ライオン
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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