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特別企画 2012/5/6 00:00

【ahead femme×オートックワン】-ahead 4月号- アンティーブの松本葉さんを訪ねて(2/3)

【ahead femme×オートックワン】-ahead 4月号- アンティーブの松本葉さんを訪ねて

2人でとんちんかんな旅をしましょう

アンティーブの松本葉さんを訪ねてアンティーブの松本葉さんを訪ねて

次の日、葉さんと私は、イタリアのサンレモまで、葉さんの愛車、フィアットの『パンダ』で1泊2日の小さなドライブ旅行に出る計画だった。

朝はご主人がホテルまで迎えに来てくれて、アンティーブのご自宅で葉さんと合流する手はず。

10時ぴったりに現れた葉さんのご主人は、「最高のお天気で本当にラッキーだね」。そう言って、アンティーブとは逆方向に走り出す。

途中、絶景ポイントでクルマを止めたりしながら、エズ(崖の上に立つ中世の要塞)まで連れて行ってくれた。葉さんと打ち合わせたわけではなかったらしく、遠くから訪ねてきた私への心遣いだった。

ちょっとジャン・レノに似たすてきなご主人だ。クルマのデザイナーだというから、なおさらカッコいい。

アンティーブに着くと、ご主人は二人のお子さんと一緒にお出掛け。私と葉さんは、サンレモへ出発する前に、アンティーブの街を、黒い『パンダ』でぐるぐる一回り。

それにしてもさすが、葉さんは運転がうまい!

ほぼ左手だけでハンドルをキュキュ。 右手は、ギアチェンジするという感じもないくらいに、自然に、チョコチョコチョコとシフトノブを操作する。走り出すのも停まるのも、せわしないくらいきびきびしているのもヨーロッパらしい。

私はここで葉さんの著書の中の一節を思い出した。それはイタリアに渡って1年と少しが経ち、初めて自分のクルマ『チンクエチェント』を手に入れたあと、2カ月で3回もの駐車違反を取られたというくだりだ。

「結局のところ――、私には、この国でクルマに乗る人間の”勘”みたいなものが身についていないのだ――」。

信号を守らないタイミングや、右車線から左折する方法とか、無茶苦茶な中にも暗黙の約束事や了解があり、それらが体に棲みつくようになれば、クルマにスムーズに乗れるだけでなく、人との付き合い方とか、生活のリズムとか、そういうものが掴めそうな予感がする、と。

アンティーブの松本葉さんを訪ねてアンティーブの松本葉さんを訪ねて

葉さんがそう書いてからおおよそ20年。葉さんはすっかりヨーロッパの生活の(簡単にヨーロッパと括っていいかどうかは置いておくが)すべてが体に馴染んだのだなあと思う。

クルマの運転にはそれが一番端的に表れているけれど、例えば食事もそう。どこで何を食べても、私はどうしても全部食べきれない。葉さんはきれいに食べてしまう。でも葉さんはすらっと細身で贅肉の影すら見えない。きっと食べ物と生活のリズムのバランスが取れているんだろう。

とはいえ、そんな彼女でさえ、タンクトップ1枚で素肌を太陽にさらしている女性たちを見ると、「あれじゃぁ風邪ひいちゃうわよね」。

コート・ダジュールの気候は、3月でも、朝晩はコートが必要なくらい冷え込む。太陽が昇ると一気に気温があがるのだが、それでもタンクトップ1枚は、日本人には少し寒すぎる。

ヨーロッパの人たちは基礎体温が日本人より1度程高いと聞くが、長く住んで、言葉や文化にすっかり馴染んでも、基礎体温まではなかなか、ということなのだろうか。

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