フォルクスワーゲン up!(アップ) 試乗レポート/藤島知子(1/3)

  • 筆者: 藤島 知子
  • カメラマン:フォルクスワーゲン・グループ・ジャパン
フォルクスワーゲン up!(アップ) 試乗レポート/藤島知子
VW UP!(フォルクスワーゲン アップ!) VW UP! VW UP! VW UP! VW UP! VW UP! VW UP! VW UP! VW UP! VW UP! VW UP! 画像ギャラリーはこちら

愛玩ペットではなく、走る「スマホ」

VW UP!
VW UP!VW UP!

フォルクスワーゲンの小さな巨人『up!(アップ)』の国際試乗会の舞台となったのはイタリアのローマ市街。歴史とともに歩んできた石造りの建造物や石畳がある街並みは、とにもかくにも狭い路地が多い。その上、至る所に路上駐車が当たり前。限られたスペースに置かなきゃいけない都合上、全長が3m前後に収まるスマートやFIAT 500といったスモールカーが大活躍している。

VW up! はまさにそうしたジャンルに勝負を挑むモデルとして、試乗会に敢えてこの街を選んだのだというフォルクスワーゲンの意思表示だったのかも知れない。

そのスタイリングから放つオーラは、『小さいけどそれなり』のクルマとは大きく違っていた。フォルクスワーゲンが得意とするシンプルに描かれたフォルムは、クリーンながらも計算し尽くされたボディの面づかいによって、洗練された印象すら与えてくる。リヤゲートには大らかにカーブするガラス面。周囲の景色が柔らかに映りこむそのディテールを眺めていたら、いま流行りのスマートフォンを連想してしまった。シンプルながらにして、半歩先のトレンドを閉じ込めたデザイン。それでいて、いつでもポケットに入れて持ち歩きたくなってしまうようなフレンドリーなキャラクターは、クルマをペットに例えることとも違った、新種の存在といえる。

そのクルマ、まさにビックリマーク!

VW UP!
VW UP!VW UP!

up!はその『!(ビックリマーク)』が示すとおり、数々の驚きに満ちたクルマである。

まず、ドイツ仕様をみてみると、じつに多彩なラインナップが用意されている。お手頃価格で手に入れられるベーシックな仕様の『take up!』、ドアハンドルやドアミラーをボディ同色にするなどした中間グレードの『move up!』、15インチのアルミホイールにアップグレードされ、5色のダッシュボードカラーが選べる『high up!』の3種類が基本となる。さらには、『high up!』をベースとした『up! black』、『up! white』という2つの特別な仕様も存在し、ブラックまたはホワイトのボディと同色の艶やかなダッシュパネル、16インチのクラシックデザインを施したアルミホイールが装着され、ドアハンドルやミラーなどにあしらわれたクロームメッキがアクセントになっている。日本には上級仕様が持ち込まれる可能性が大きいが、グレードごとに異なるシートの柄はそれぞれテイストが違ったお洒落感があるし、中間グレードとなる『move up!』のベージュのシボやブラックのペイントを用いたダッシュボードもポロやゴルフに劣らない質感を確保している。

ダッシュボードの上部はどのグレードもチャコールグレー。『move up!』と『high up!』ではダッシュボード下部とセンターコンソール、ドアの内側のサイドトリムなどをセットで明るいベージュに変更できるそうだ。全体として、これまでの『内装が地味なフォルクスワーゲン』というイメージとから脱却した印象を受ける。ダッシュボードやシートカラーの色使いにもアイディアを凝らし、他メーカーのプレミアムコンパクトカーと見劣りしないトレンド感を手に入れている。上級グレードにエアコンの吹き出し口やスイッチ類にシルバーの加飾があしらわれるあたりはフォルクスワーゲンの他のモデルと同様だが、シートはファブリックの素材が違っていても、座ったときの身体の収まり感はどれも変わらず「さすが!」と言いたくなるほどしっかりした出来映え。軽量シートなのに身体が振られても疲れにくく、的確な運転操作がしやすいものに仕上げられている。

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藤島 知子
筆者藤島 知子

通称「藤トモ」。スーパー耐久のレースクイーンを経験後、軽自動車レースに参戦したことがきっかけで様々なレースに参戦。レースで培った技術と女性ならではの視点が魅力の女性モータージャーナリスト。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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