ダイハツ タント & タントカスタム 試乗レポート

ダイハツ タント & タントカスタム 試乗レポート
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ママキッズプロジェクトを主体に開発された2代目タント

タントと藤島知子

タントは2003年秋に登場したモデルだが、その名のとおり、欲張りな空間を持つトールワゴン・スタイルの軽自動車。それまで、ギリギリの規格サイズの大きさで、重宝される軽自動車と言えば、積載性を重視したものが主流で、乗用車として、日常で必要な大きさは同社のムーヴで申し分ないとされていた。

しかし、いざタントが登場すると、さらに広大な居住空間と明るい車内、優れたパッケージングが世間に受け入れられ、メーカー側の予想をはるかに上回る、月販8000台という数字を叩き出した。もはやタントは、軽の新たなジャンルを切り拓いた革命児と言っても過言ではない。

そんなタントが2代目を世に送り出すにあたって、ダイハツが着目したのは母親と子供。その名も「ママキッズプロジェクト」と題するテーマで開発が進められた。つまり、子育て中の母親の行動パターンや、触感までこだわることで、使い勝手の良い居住性に加えて、さらに魅力的な機能性を織り込んだクルマ作りが行われたのである。

フロントスタイリングリアスタイリングフロントビューリアビューサイドビュー

新型タントはパイオニア的パッケージング

スタイリングは、大きく分けて2つのタイプに分かれている。ひとつは親しみやすい顔つきに、ベーシックな装備を充実させた新型タント。もう一方は重厚感のある外観に、上級装備を施した新型タントカスタムである。どちらも、抑揚のある面づかいが平面的だった先代と比べて、塊感が増したうえに、全体の質感を上質に見せている。また、濃い色を好む若いユーザーに対しては、虹色発色塗料を用いた、斬新なボディ色を取り入れていたりと遊び心も忘れていない。

インテリアは軽最大の「ミラクルスペース」、ボディ左サイドに設けられた「ミラクルオープンドア」、母親と子供の利便性を突き詰めた「ミラクルユーティリティ」という3つの要素が、「驚きの広さ」を飛び超えて「感動的な空間」を生み出している。

なかでも最大のトピックは、軽で初めて採用された、センターピラーレスのスライドドアだろう。もともと低床で、小学校低学年の児童が立ったまま着替えができるほどの、室内高を持ち合わせているうえに、1400mmもの横幅が生まれたことで、乗降性が高まっているのは言うまでもない。しかし、そのセンターピラーレスによって生じる影響もあり、乗り込む際にドアが、重たくなっていることに気づく。剛性確保のために60~80kgの重量増は免れなかったというが、根本的に使われている金属の材質が違っているとのことだ。だが、考えてもみて欲しい。か細い腕に子供を抱え、買い物袋をぶら下げた母親がストレスなく車内にアクセスできるとなれば、これほど救われることはない。

また、フローリングフロアも新たに設定されており、後席の天井には、オムツや小物を収納できる開閉式ボックスが設けられている。細かな部分の建て付けも見事な出来映えで、こうした手の施しように、2代目の余裕を改めて感じる。

インパネフロントシートリアシートシートアレンジ

ターボ×CVTの走りと燃費に着目

エンジン

パワートレインは、低中速で安定したトルクを発揮するNAエンジンに、CVTもしくは4ATの仕様のほかに、新型カスタムRSには力強さをアピールするターボエンジン×CVTが用意される。

勾配がキツい登り坂では、大人3名が乗車した状態だと、NAはややもたつきをみせる場面はあったものの、出足からダイレクトに反応をみせるエンジンと、乗り心地の良さが功を奏して、ゆったりとドライブを満喫することができた。

一方、CVTと組み合わされるターボエンジンは、NAエンジン×4ATよりも燃費が優れているというから驚かされる。RSは15インチタイヤを装着しているが、荒れた路面でやや突き上げがあるにしても、シャープに身をかわす走りを披露する。背高なボディのわりに、ロールは抑えられていて、コーナーで不安を感じることもない。

見た目は可愛く、中身はグレイト!!

試乗試乗

こうして、3つのミラクルを手にした新型タント。これだけ大々的に改良が施されたうえに、ボディの片側だけ異なる機構をもつと考えるだけでも、相当なコストが掛かっているに違いない。その点、価格が据え置きされている点はなんとも嬉しい。

新型タントと新型タントカスタムの方向性についても、家族ユースとしての付き合いやすさと、上質でスポーティーなカッコ良さを求める、それぞれのターゲットに向けて上手に棲み分けがされている。

センターピラーレスの乗降性のよさ、ドライブ中に視界に飛び込んでくる外の景色。母親と子供の日常を上手にサポートしてくれる使いやすい装備の数々が、日常的なものを楽しく変えてくれる。

こうした要素の積み重ねが、新型タントをさらに魅力的なモデルへ進化させていることにほかならない。軽自動車と普通車という枠組みを抜きにして考えても、「もはや隙なし」というのが、私の新型タントに対する率直な印象だ。

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藤島 知子
筆者藤島 知子

通称「藤トモ」。スーパー耐久のレースクイーンを経験後、軽自動車レースに参戦したことがきっかけで様々なレースに参戦。レースで培った技術と女性ならではの視点が魅力の女性モータージャーナリスト。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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