ホンダ 新型 CR-V 試乗レポート/渡辺陽一郎(4/4)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:オートックワン編集部
選ぶなら買い得な4WDの24G!
全幅が1800mmを超えるSUVとしては、取りまわし性も悪くない。ボンネットは手前の部分なら良く見えて、フロントピラー(柱)は角度を寝かせたが、斜め前方の視界を遮りにくい。
注意したいのは後方視界。ボディ後端のピラーが少し太く、荷室の両側に装着されるサイドウインドーは小さい。真後ろのリヤウインドーは、下端の位置が高めだ。購入を検討するなら、試乗車で縦列駐車や車庫入れを試したい。
内装は、インパネ周辺の質感などが価格相応のレベル。柔らかいパッドはあまり使われないが、左端のスイッチにも手が届きやすく、メーターも見やすい。フロントシートはサイズを十分に確保。腰の近辺をしっかりと支え、長距離移動も快適に行える。
リヤシートは、全高を先代型に対して30mm低くしたため、着座位置も下がって腰が少し落ち込む。それでも座面の前方を適度に持ち上げたから、大腿部は離れない。身長170cmの大人4名が乗車して、リヤシートに座る同乗者の膝先空間は握りコブシ2つ半。座った時に足がフロントシートの下側に収まりやすく、おおむね快適だ。座った瞬間に座面の底突き感が少し生じるが、着座中の違和感はない。ファミリーカーとして十分に使える。
価格は24Gが275万円で20Gが248万円。価格差は27万円だ。先代型の2WDと4WDの差額は18万円だが、新型は4WDが電子制御。そこで20万円と見積もる。残りは7万円だが、パドルシフトや6スピーカーといった装備の違いで少なくとも4万円は埋まる。従って400ccの排気量が3万円で拡大する計算だ。一般的な相場は最低でも100cc当たり2万円。400ccなら8万円の差になるから、3万円はかなり安い。
従って選ぶなら買い得な4WDの24Gにしたい。170mmの最低地上高も、4WDとの相乗効果でメリットを生み出す。CR-Vはエクストレイルのような野生味のあるSUVではないが、乗り心地が快適で、動力性能にも余裕があり、長距離移動に適する。日常的にはワゴンのように機能するが、不意の降雪などでは、SUVの走破力が安全な移動を助けてくれるだろう。未舗装路の少ない日本では、CR-Vは合理的なSUVだ。
試乗チェックを進めていくうちに、「月販目標1500台」のリアリティが次第に強まってきた。
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