メルセデス・ベンツ 新型Cクラス 試乗レポート/日下部保雄(3/3)
- 筆者: 日下部 保雄
- カメラマン:メルセデス・ベンツ日本
上質感が格段に向上したエンジンと至って自然なアイドルストップ
では、実際に新型Cクラスのステアリングを握った感想へと移ろう。
「C350 ダイナミックハンドリングパッケージ装着車」だが、タイヤはフロントが225/45R17、リアは245/40R17のコンチネンタル・スポーツコンタクト5を履き、強力なブレーキシステムを装着している。
タイヤサイズのワリにはロードノイズが低く、路面の傾斜によるハンドル取られ(ワンダリング)も少ない。もともとCクラスは若干のワンダリング傾向があるが、それが軽減されている感じだ。
ハンドリングを重視したサスペンションは多少の突上げはあるものの、上下収束が自然で乗り心地についても悪い印象は1つもない。この辺は、さすがメルセデスらしいところだ。
そのハンドリングだが、小径ハンドルのために操舵力は多少重めに感じるが、適度にクイックで小気味よいライントレースが楽しめる。
また、エンジンは非常に滑らかで振動が少なく、レスポンスも鋭い。この点では従来のC300よりもエンジンの上質感は格段に上がっている。
出力特性は、メルセデスらしく低回転からフラットなトルクを出しているが、トルク特性は穏やかで低速から粘り強い加速をする。さらにアクセルペダルに対する反応が良く、コントロールされているので運転しやすい。
またアイドルストップも至って自然で、ブレーキペダルから足を放した再スタートにもタイムラグは少なく、違和感はない。
一方、「C250 アバンギャルド ステーションワゴン」(残念ながら日本でポピュラーなC200ではないが、C200のブーストアップ版がC250だ)の4気筒エンジンは、効果的に配置された遮音材が効果てきめんで、かなり回転ノイズが抑えられ、こちらも今までのメルセデスの4気筒とは思えない程上質になった。
さらに、従来では発進時にオートマチックと燃料制御のプログラムが一致せず、場合によってはアクセルの踏み込みに対して反応しない時があり、ドライバビリティがよくないところがあった。
しかし、今回のビッグマイナーチェンジでは7速ATの採用もあってかなり改善されており、格段にコントロール性が高くなっている。つまり、乗りやすいのだ。
ハンドリングについてもアバンギャルド仕様では(C350ほどではないものの)ハンドルを切った分だけ曲がっていき、非常に高い安心感が得られた。
ただし、乗り心地についてはサスペンションとタイヤのマッチングが若干悪く、突上げ感が多少強いところが残念ではある。
今回のCクラスのビッグマイナーチェンジは、BMWやアウディなどのDセグメントライバルに対する強力なカウンターパンチとなりそうである。
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