フィアット 500ツインエア 試乗レポート/松田秀士(1/2)

  • 筆者: 松田 秀士
  • カメラマン:オートックワン編集部
フィアット 500ツインエア 試乗レポート/松田秀士
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オートバイのようなエンジンを搭載して日本に上陸!

2008年3月から日本で発売されたフィアット500は、すでに累計で1万台を突破するヒットモデルだ。そのフィアット500がツインエアーと呼ばれる直列2気筒875ccという、まるでオートバイのようなエンジンを搭載して日本に上陸してきたのだ。

「日本に上陸」と記したのは、欧州ではすでに昨年9月から販売され、大きな反響を呼んでいたからだ。

ではまず、その注目の2気筒エンジンについての私の第一印象は「なんだ!これで十分じゃないか」である。こう書くと、普通には走るんだな、とそんな程度に解釈されるかもしれないが、そうではなくて普通に「速い」という意味である。

一番重いモデル(ラウンジ)の車重が1050kg。それを85psのエンジンで引っ張る。パワーウェイトレシオ12.35kg/ps。0→100km/h加速11.0秒。最高速173km/h。このスペック、十分じゃないですか。

そのボンネットを開けてみると、カタカタと小刻みに震えるヘッドカバーが目に飛び込んでくる。そして、直列2気筒エンジンになったことでエンジンの全長が短くなり十分なスペースが確保されていた。

このことは将来500にハイブリッドシステムが搭載されることを意味している。横置きのエンジンとトランスミッションの間にモーターを装備することが可能になるのだと、フィアットがアナウンスしているのだ。

フォルクスワーゲンと同じようにダウンサイジングによる環境性能アップだけにとどまらず、フィアット500はまだまだ進化のノリシロを持っていることになる。

小さなエンジンルームの中でカタカタ震える2気筒875ccエンジンのヘッドカバーにはtwinairの可愛いロゴの下に赤文字で「turbo」と記されている。

そう、このコンパクトなエンジンにはインタークーラーターボが装備されているのだ。

また、スロットルバルブはあるものの吸気バルブ(エンジン側)の開閉制御だけで吸気量をコントロールしてポンピングロスを低減するマルチエアーテクノロジーが採用されている。

このシステムはFPT(フィアットパワートレインテクノロジーズ)が開発し09年に1.4L16バルブのファイヤーシリーズエンジンに導入されたものと同じなのだ。

ところで、試乗会場にはエンジンのカットモデルが展示されていたが、目についたのが吸気側のマニホールド(パイプ状の空気通路)が非常に長いこと。長くなるほど空気の量が多くなり、気圧変化が少ないのでアクセルレスポンスが良くなる。

ドライバーズシートに腰かけると、相変わらず遊び心満載のインパネデザインが目を引く。これぞイタリアンデザインという印象に心が躍る。

さっそく走り出そう。アクセルを踏み込んだ瞬間からスッ!と動く身のこなしは「ホントにこれ900cc足らずの2気筒なの?」と思ってしまう。

振動も、アイドリングレベルでは少し感じたが、走り出せばそんなに気にならない。むしろ適度な振動は500らしさ(個性)をより楽しませてくれているかのよう。

145Nmの最大トルクは1900rpmで発生することが実感でき、低回転域でしっかりとトルクが出ていて普通に走れるのだ。

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松田 秀士
筆者松田 秀士

1954年高知県生まれ。僧侶の資格を持ち、サラリーマン、芸能人の付き人を経て、28歳でレースデビュー。92年には、デイトナ24時間&ル・マン24時間レースに出場。94年、インディ500マイルレースに日本人2人目のドライバーとして初参戦。2年目の95年には完走を果たし、翌年、当時日本人最高位完走という成績を残した。同じ頃から東京中日スポーツ新聞等で自動車評論活動を開始。現在も執筆活動の傍ら、レーシングドライバーとしても活躍中。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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