BMW 新型6シリーズカブリオレ 試乗レポート(1/3)
- 筆者: 西川 淳
- カメラマン:BMW Japan
実はキープコンセプトな新型6シリーズ
昨年の秋、パリ国際ショーにてクーペのコンセプトカーを披露し、年初の北米デトロイトショーで正式デビューを飾った三世代目の6シリーズ。
大票田である北米市場の“好み”を十分に汲み取って、まずはコンバーチブル(日本ではカブリオレ)からのローンチと相成った。
デザイン的には随分と“変わった”印象をもたれる方も多いと思われるが、変わったのはディテールのデザインだけで、コンセプトはもちろんのこと、シルエットだって実はそれほど変わっていない。
第一印象とは裏腹にキープコンセプトと言ってよく、デザインの好みを抜きにすれば、新型6シリーズの焦点は自ずと現行5&7シリーズ譲りの中身=メカニズムということになる。
エンジンは2種類が用意された。直6ターボとV8ツインターボのいずれも直噴エンジンで、他の最新世代モデルと同様に8ATを組み合わせる。
既存モデルで言えば、740iと750iに等しく、よって車名的にも640iと650iの2グレードというラインナップに。生産工場もディンゴルフィンで5や7と混じって組み立てられる。
南アフリカ ケープタウンのリゾートホテルに用意された試乗車は、すべてシャンパンゴールドの650iだった。
前作よりも薄く、場合によっては小さく見える(全長、全幅は延びているのにも関わらず!)のは、全高が低くなり、よりワイドになって、さらに前後の灯火系を大きなデザインにしたためだろうか。
南半球ゆえ、強烈な夏の日差しを受けて、シャンパンゴールドの肌がなまめかしく光っている。フォルムに相当自信がなければ、この色合いは絶対使えない。
ディテールの処理も素晴らしい。特にオープン時のキャビンまわりや、ライト、グリルのフィニッシュが念入りだ。640とはグリルのフィン色が異なる。
一見、随分と大人しいエクステリアデザインになった気もするが、よくよく見ればけっこう複雑なキャラクターラインを与えていて、なかには“どきっ”とするラインもあった。
たとえば前フェンダーのバルジからドアに向かって勢いよく落ち、今度はそのまま水平を保って後ホイールアーチに向かうキャラクターラインなど、である。
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