フォルクスワーゲン 新型ゴルフトゥーラン 試乗レポート(1/2)

フォルクスワーゲン 新型ゴルフトゥーラン 試乗レポート
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エコカー減税へ適合した新型ゴルフトゥーラン

新型ゴルフトゥーラン

フォルクスワーゲン(VW)・ゴルフをベースとしたミニバンのトゥーランがモデルチェンジし、来年1月に発売されることになった。

日本では2004年にデビューしたトゥーランは、途中2007年に一度マイナーチェンジを行っているから、トゥーランは今回が2度目の進化となる。

といっても前回同様、2,675mmのホイールベースは同一で、前後のドアも旧型のそれを流用しているから、「ビッグマイナーチェンジ」と記したほうが適切な表現になるだろう。ボディサイズも、全長のみ15mm短い以外は旧型と同じだ。

新型ゴルフトゥーラン

新型トゥーランのエンジンは従来どおり、直噴方式の1.4L直列4気筒にターボとスーパーチャージャーを装着したTSIだが、旧型で2種類あった最高出力は低いほうの140psに抑えられた。

22.4kgmの最大トルクは、発生回転数が1,500~4,000rpmから1,250~4,000rpmへと、やや低くなっている。トランスミッションは旧型の最終型で初採用された、乾式7速DSGだ。

しかし、10・15モード燃費は3%アップした14.6km/Lとなり、エコカー減税適合車の仲間入りを果たした。

グレードはベーシックな「トレンドライン」と上級の「ハイライン」の2種類であることはいままでどおり。僕が乗ったのはハイラインだったが、旧型とは異なりグレード間のメカニズムの差はないので、トレンドラインでも同じ印象を受けるのではないかと思う。

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外観はフロントグリルが、一時期のVW車が用いていたシルバーの「ワッペングリル」から、現行ゴルフやポロと同じ黒い横長のシンプルなグリルになり、リアではコンビランプがゴルフを思わせる横長になったことが新しい。

ひと目で見てトゥーランと分かるプロポーションを備えつつ、ディテールは確実に新しい。新鮮度はいまひとつだが、質実剛健なVW車を好むユーザーには評価されるのではないかと思う。

インパネまわりはゴルフやポロのモデルチェンジ同様、基本的な造形はそのままに、光り物が増えた。

エアコンのルーバーやエアコンのダイヤルなど、多くのパーツにシルバーがあしらわれる。シートの作りは旧型と変わらない。2列目は3分割で、それぞれスライドとリクライニング、背もたれを倒したあと全体を前方に持ち上げる方式の折り畳みができる。

3列目は背もたれを前に倒す方式で格納できる。ただし2列目はサイズが小さく、着座姿勢は直立に近いうえに、個々の動きがかなり重く、渋い。女性や子供では操作に難儀するのではないだろうか。

3列目へのアクセスが、シートを畳まないと行えないのも不便だ。3列目は、この2列目を少し前にスライドさせれば足は入るものの、床が高いのでひざを立てて座る姿勢を強いられるし、頭はルーフに触れてしまう。エマージェンシー用と考えたほうがよさそうだ。

パッケージングやユーティリティに関しては、国産ミニバンが数歩も先行しているという実態を思い知らされた。

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森口 将之
筆者森口 将之

1962年東京都生まれ。モータージャーナリスト&モビリティジャーナリスト。自動車専門誌の編集部を経て1993年フリーに。各種雑誌、インターネット、ラジオなどのメディアで活動。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。グッドデザイン賞審査委員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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