日産 新型エルグランド 試乗レポート/森口将之(1/3)
- 筆者: 森口 将之
- カメラマン:ZIPNIX
FF採用による低重心化が図られた新型エルグランド
「キング・オブ・ミニバン」。
今年8月のモデルチェンジで3代目に進化する予定のエルグランドを、日産はこう呼んでいる。
しかし、1997年にデビューした初代はともかく、2002年に登場した現行型はライバルの台頭もあって、そういい切れない状況にあった。それだけに起死回生の一手をどう打つか興味があったのだが、発表を前にテストコースで対面した新型のプロトタイプは、予想とかなり違っていた。
現行エルグランドとオデッセイを足して2で割ったカタチといえばいいだろうか。4,915×1,850×1,815mmのボディサイズは80mm長く、35mm幅広くなった一方で、背は95mmも低くなっているのだ。
初代と2代目は、SUVのテラノがベースだった。そのため、パワートレインは「縦置きエンジン+FR」が基本で、車両重量は2トンを越えていた。おかげで燃費は伸びず、ハンドリングは重心の高さがついて回った。
そこで、新型はライバル車同様「横置きエンジン+FF」を基本とした。具体的にはティアナやムラーノと同じプラットフォームを使い、軽量・低重心化を図った。見た目でもダイエットの結果をアピールしたわけだ。
それにただ低いだけじゃない。フロント/リアまわりはエルグランドらしさを受け継ぎつつ、サイドはショルダー部分を張り出させ、クロームのウィンドウモールや立体的なプレスラインをおごった。水平&平板基調の現行型とは一転、エモーショナルなフォルムに変身している。
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