ポルシェ カイエン 試乗レポート/河村康彦(2/2)

  • 筆者: 河村 康彦
  • カメラマン:ポルシェジャパン
ポルシェ カイエン 試乗レポート/河村康彦
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速度を問わない安定感の高さ

すでに従来車のマイナーチェンジでエンジンの直噴化は実施済みだが、今回のパワーパックでの見所は”ティプトロニックS”を名乗るATが、従来の6速から8速仕様へと改められた事。

より変速レンジを広めたこのトランスミッションは、7速と8速ギアがオーバードライブ・レシオ。もちろん、これによってクルージングの燃費を大幅に向上させようというのがその狙いであるわけだ。

ポルシェ カイエンS

まずは自然吸気の8気筒エンジンが搭載されている「S」でスタート。と、殆どその瞬間にこのモデルが極めてスポーティな走りのテイストを実現させている事に驚きを禁じ得なかった。

後にこの個体の装備リストをチェックしてみると、エアサスペンションにアクティブ・スタビライザー、21インチのシューズにセラミックコンポジット・ブレーキ等々と、走りの分野に影響を及ぼす様々なアイテムがオプション装着されていた事が判明。

当然、これらの装備による効果のほどは小さくないはずだが、それにしても1.7m超という背の高さを全く意識させない路面に張り付くようなフットワークの感覚は、まさしく「ポルシェのスポーツカーそのもの」という印象だ。

ポルシェ カイエンターボ
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ハンドリングはそのボディの大きさを全く感じさせない身軽さを実現させているし、国際試乗会が開催されたカイエンとパナメーラの生産拠点があるライプチヒ近郊のアウトバーンでは、まるで”見えないレール”が敷かれているかのような速度を問わない安定感の高さに圧倒された。

ただし、少々路面の荒れた街中に入ると、凹凸を拾っての振動感はいささか直接的。後にそれをシャシー担当のエンジニア氏に告げると「実は21インチは”Toomuch”」という証言を得ている。快適性を含めた総合バランスで言うと、同じオプション扱いながら氏の言うように20インチがベストの選択でありそうだ。

実際、そんな20インチのシューズを履いたエアサスが標準装備となる「ターボ」のフットワークは、前述の「S」にも増して好印象が得られるものだった。

ばね下の動きはSUVとは思えないほどに軽快。そしてそんな感触は、今度は痛みつけられた路面の市街地へと入り込んでも極端に低下する事はないのだ。さらに1インチ小さな”標準サイズ”である19インチを履いた際にどのような印象に変化をするかは残念ながらチェックが出来なかったが、「見た目と走りのバランス」という点ではやはりこの20インチのシューズがベストである可能性が高いように思う。

ところで、最高400psを発する自然吸気エンジンを積む「S」でも十二分な強力さと思えた動力性能は、最高500psを絞り出す「ターボ」では当然ながら、さらにひと際の鮮烈さ。

何しろ0-100km/hをわずか4.7秒と、911カレラのPDK仕様車と全く同じタイムでこなすというだけに、その速さは強力という印象を軽々飛び越し、もはや「強烈」そのものだ。

一方で、そんな今度のカイエンは、最もベーシックな6気筒のMT仕様を除き、全車がアイドル・ストップメカを当たり前のように標準装備。

かくして、「4WD機構を簡略化させつつも、従来と同等以上のパフォーマンスを確保」というオフロードの踏破性能も含め、現代の要請を踏まえ、さらにはこの先の時代までを先読みしたモデルチェンジを行ったのが新型カイエンなのである。

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河村 康彦
筆者河村 康彦

1960年東京生まれ。工学院大学機械工学科卒。モーターファン(三栄書房)の編集者を経て、1985年よりフリーランスのモータージャーナリストとして活動を開始し、現在に至る。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー選考委員 などを歴任。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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