メルセデス・ベンツ Sクラスハイブリッド 試乗レポート/石川真禧照(1/2)
- 筆者: 石川 真禧照
- カメラマン:小平寛
メルセデス・ベンツ Sクラスハイブリッド 試乗レポート/石川真禧照
日本ではハイブリッドカーが大人気。エコカー減税も日本車に有利なので、輸入車はカヤの外に置かれていた。
でも、ついに、というか、ようやく、輸入車もエコカー減税(自動車取得税・重量税)100%対象車が登場した。
それがメルセデス・ベンツ Sクラスハイブリッドロングだ。
メルセデス・ベンツの最上級セダンであるSクラスをベースにハイブリッド化したクルマが、上陸したのだ。このクルマは、すでにドイツでは発売されており、早くもSクラス全体の20%近くのシェアを占めているヒット車になっている。
Sクラスのマイナーチェンジと同時に投入されたハイブリッドは、3.5リッターV6エンジン+モーターというユニットを搭載している。
マイナーチェンジでフロントライトの周囲にLEDを並べ、バンパーにもLEDのドライビングライトを埋めこんだスタイルは迫力満点。さらにリアもブレーキランプに52個のLEDを採用、マフラーはバンパーにビルドインされた。これも迫力だ。
「ブースト機能」として加速をサポートする電気モーター
Sクラスのハイブリッドシステムは、トヨタ流でいえば、マイルドハイブリッドタイプだ。
電池には最新のリチウムイオンを用いた。この電池は、フロントからエンジンルームに向かって左端に収まっているほどにコンパクトだ。ちょうどノーマル仕様のバッテリーの位置になる。
ガソリンエンジンは3.5リッターV6。ハイブリッド用に熱効率を改善する大幅な改良が施されている。エンジンの出力は205kW/279馬力、トルクは350Nm(35.7kgm)。これはノーマルのS350とほぼ同数値だ。
このエンジンと組み合わされるハイブリッドモジュールは、エンジンと7速ATの間に組みこまれた薄型の電気モーターが肝。
最大160Nmのトルクを発生する小型電気モーターは、スタート時や加速時などトルクを必要とするときに「ブースト機能」としてサポートする。減速時にはジェネレーターとして、運動エネルギーを回収し、バッテリーに充電する「回生ブレーキ」として機能するのだ。
さらに、減速してクルマが時速15キロ以下になるとエンジンが停止し、アイドリングストップ状態になる「ECOスタートストップ機能」も装備されている。
この結果、10・15モード燃費は11.2km/L。同じエンジンのS350は8.6km/Lなので、約30%もの燃費向上を実現した。
この記事にコメントする