トヨタ プレミオ 試乗レポート

  • 筆者: 松下 宏
  • カメラマン:原田淳
トヨタ プレミオ 試乗レポート
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5ナンバーセダンの完成形を目指した長い歴史を持つモデル

イメージ
フロントスタイルリアスタイル

プレミオになってから2代目のモデルが6月にデビューしたが、前の前のモデルではコロナ・プレミオと呼ばれており、古くは1957年にデビューしたコロナをルーツとする長い歴史を持つクルマである。50年の歴史を持つクルマといえば、トヨタ車ではクラウンやカローラくらいのものだし、国産車を見渡しても数えるほどしかない。時代の要請に合わせて車名は変遷を遂げてきたが、5ナンバーサイズのミドルセダンという基本的な位置づけは一貫したものを持つ。

今回のモデルも5ナンバーセダンの完成形を目指したというように、日本の小型車規格(5ナンバー枠)を守って作られた。5ナンバー車にすると、事実上国内専用モデルになってしまうが、プレミオだけで月に3000台の売れ行きが見込めるからこそ、あえて5ナンバー枠を守ることができたのであり、輸出用にはほかのモデルを持つトヨタならではの国内重視の姿勢といえる。

プレミオを販売するのはトヨペット店で、トヨペット店にはベルタという小型セダンがあり、ほかにもプリウスやラクティス、ポルテなどがラインナップされている。これらの車種との関係もあって、プレミオはやや高級感のある上質な小型セダンとしてまとめられた。コロナ以来の古いユーザー層を多く抱えることも質感重視の理由だろう。

上質なセダンを感じさせるスタイリングと合理的なパッケージング

インパネ
フロントシートリアシート

プレミオの外観デザインはいかにも上質なセダンというイメージだ。トヨタ店扱いのアリオンが姉妹車として存在するが、外観デザインは大きく異なっており、全長も違うのでパッと見た感じでは別のクルマという印象である。大きめのグリルやヘッドライトなどが存在感を感じさせるデザインだ。

ボディサイドから見ると、短めの前後オーバーハングと大きなキャビンが印象的。いかにもセダンらしいデザインを感じさせる。

インテリア回りのデザインは全体に質感の高さが強調されている。ふんだんに使われた木目調パネルなどはその典型だし、ステアリングホイールもグレードに応じて、ウレタン、本革巻き、本革巻き+木目調など、3種類が用意されている。

インストセンターの部分に設けられたディスプレーは、その部分が浮き上がったように造形され、手元に近くて操作性の高いデザインとされている。

ボディサイズは基本的に従来と変わらない(全高のみ+5mm)が、室内空間は大きく拡大されている。合理的なパッケージングによって室内長+80mm、室内幅+55mm、室内高+15mmと、いずれも拡大され、ゆったりした室内空間を作っている。

静かで、安定感があり、よく走る

エンジン
シフトメーター

最初に試乗したのは1.5L車だが、これが実に良く走ってくれた。本当に1.5L車なのか思うくらいの走りの良さで、ボディが軽く感じられ、これで十分という印象を受けた。1.5Lエンジンは従来から搭載されているのと同じ1NZ-FE型だが、過不足のない性能を持つ。

1.5L車に比べると新開発の2RZ-FE型エンジンを搭載した1.8L車にはより大きな余裕がある。高速での追い越し加速といったシーンでは1.8Lの持つ動力性能の余裕が魅力となるが、タウンユースを中心に考えるなら1.5L車で十分という印象である。

今回のプレミオでは全車にスーパーCVT-iが組み合わされており、変速ショックのない滑らかな走りを実現している。エンジントルクのおいしいところを使って走るCVTにはATにはない魅力があり、静かな走りにもつながっている。

足回りはけっこう硬めの乗り味とされていた。これまでのプレミオとは違ったイメージで、コーナーなどでの安定性の高さを感じさせるしっかりした足回りだ。ステアリングも適度な操舵と違和感のない操舵フィールを実現している。

安全装備は必ず装着したい。いや、装備されるべきである。

フロントグリルリアランプ

プレミオでは1.5L車が良く走るのでお勧めグレードも1.5L車になる。ベースグレードの1.5Fにオプティトロンメーターやカラーバックガイドモニターを加えたLパッケージがお勧めグレードとなる。

ただ、価格はちょっと高めだ。装備や仕様が充実しているとはいえ、1.5L車で180万円台中盤の価格はさすがに高め。実際に購入するときには、これに24万8850円のカーナビと6万3000円のSRSサイド&カーテンエアバッグをオプション装着することになるから、ざっと220万円ほどの価格になる。1.5L車の購入予算とは思えないくらいだ。 必要性が薄いならカーナビは装着しなくて良いが、安全装備のSRSサイド&カーテンエアバッグは必ず装着したい。というか、安全装備はそれが良いものであるなら、標準で設定されるべきだと思う。

その趣旨から言うと、プレミオに横滑り防止装置のVSCがオプション設定もされていないのは大いに不満。カローラでは最上級グレードだけながら標準装備されていたのに、プレミオで設定すらないのでは話にならない。いずれ法律によって装着が強制される見込みの装備だが、そうなる前に自発的に標準装備にする姿勢が求められる。

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松下 宏
筆者松下 宏

自動車そのものはもとよりクルマに関連する経済的な話題に詳しい自動車評論家。新車、中古車を含めてユーザーサイドに立った的確な購入アドバイスを語ることで定評がある。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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