BMW 3シリーズ 試乗レポート(石川真禧照)

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新世代BMWのベストセラーカーという役割

初代3シリーズは1975年に登場した。以来30年間に3回フルチェンジを受けている。最新モデルの3シリーズは05年4月に、5代目としてデビューした。7年ぶりのニューモデルは、新世代BMWのベストセラーカーという役割を与えられ、登場したのだ。

なにしろ、先代(4代目)は全世界150カ国以上に輸出され、300万台以上を売ったという。日本では04年にモデル末期にもかかわらず1万7589台の3シリーズが販売された。

新型は全BMW乗用車生産の40%を占める計画なのだ。

日本に輸入される新3シリーズはまず4ドアセダンから。直列4気筒2Lエンジンの320iは6速マニュアルと6速ATが。直6の2.5Lの325iと直6、3.0Lの330iは6速ATが組み合わされる。

ボディサイズは4代目よりも大きくなった。全長は55mm、全幅が75mm、全高も10mm高い。ホイールベースも35mm長くなったのだ。

320iは4気筒2L、150馬力エンジンを搭載する。このエンジンは旧318iと基本的に同じだがパワーアップしている。

最初に試乗したのはスポーツサスと17インチホイール/タイヤを装着したダイナミック・パッケージモデル。フロント225/45R17、リア255/40R17サイズのタイヤを履く。

6速マニュアルシフトモード付ATをDレンジにシフトして、まず走ってみる。4気筒2Lエンジンは6500回転までスムーズに上昇、エンジン音は5000回転でも室内への侵入は少ない。さすがに150馬力なので、パンチ力はないが、それでも0→100km/hを9秒台で走りきった。2Lセダンとしてはスポーティな数値だ。 乗り心地はかため。路面のザラつきも伝わってくる。

試しに乗ったノーマルの320i(タイヤは205/55R16)のほうが乗り心地もよく、バランスがよかった。

最上級グレードの330iは直6、3L、258馬力。このエンジンは量産車としては世界で初めて軽量マグネシウム合金を採用している。さらに試乗車は、ステアリングギア比を変化させる制御を行なうアクティブステアリングを装着していた(オプション)。

ミッションは320iと同じ6速AT。直6エンジンはDレンジで7000回転まで一気にシュン!と回る。0→100km/hは6秒台とスポーツカーレベル。もちろんマニュアルモードを駆使すればもう少しタイムは縮められる。コーナリングはクイックなハンドリングとしなやかなロールが、スポーティ&軽快だ。

インテリアは基本的に330i、320iともに共通。フロントシートのホールドはよく、ヘッドスペース、ピラーの圧迫感はない。リアはシート両端がやや高く、サイドシルも高めなので、乗降性のスムーズはスポイルされる。空間は十分だ。背もたれは6対4で分割し、トランクスルーもできる。

BMWは先に発売した1、5シリーズの販売が好調なことで、この3シリーズ投入を機に、一気にライバルのメルセデスベンツ、フォルクスワーゲンを抜き、輸入車販売台数のトップを獲得しようと目論んでいる。

そのために、この3シリーズは政策的な価格設定を実施した。

装備では全車に6速AT、メモリー機能付電動シート、オートライト、レインセンサー、ポータブルオーディオ用12V電源ソケット、ランフラットタイヤを装着している。

さらに6気筒モデル(325i、330i)は、ハイビーム点灯時でも使えるバイキセノンヘッドライト、ETC内蔵インテリアミラーを標準装備。330iはiドライブ、HDDナビも標準装備にした。

とくに320iは旧318i(5速AT)の402万1500円よりも安い、399万円という400万円を切るプライスなのだ。そして、この320iがベストバランスの3シリーズでもある。

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石川 真禧照
筆者石川 真禧照

1947年東京都生まれ。1970年日刊自動車新聞社入社。翌年同社退社後、フリーの自動車評論家となる。1982年「I.W.OFFICE」を設立し、自動車を中心としたメディア活動を開始。「自動車生活探検家」として、『GORO』『DIME』(小学館)、『HOT DOG PRESS』(講談社)、『カーセンサー』(リクルート)など多数のメディアで活躍、現在に至る。日本モータースポーツ記者会会員。日本自動車ジャーナリスト協会副会長。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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