ポルシェ パナメーラ 海外試乗レポート/河村康彦 編(1/4)
- 筆者: 河村 康彦
- カメラマン:ポルシェジャパン株式会社
4シーター・モデルへの憧れ
VWビートルの生みの親としても知られる父親のフェルディナンド・ポルシェと共に、ポルシェ社を創設したフェリー・ポルシェ。
『911』の前身である『356』の設計者でもあるそんな彼が生誕をしてから、今年の9月19日で100周年になるという。ポルシェ社では、そんなタイミングで生まれたこのパナメーラを「フェリー・ポルシェのために捧げる1台」とコメントする。
「パナメーラこそ、彼が探し求め、しかし彼の在職中にはついに見い出す事が出来なかった“特別なモデル”であるから」というのが、その理由だ。
傍目に思えば、そうしたフレーズは単なる“こじつけ”にも聞こえてしまう。
しかし、実際にはそれが「さもありなん」なのは、かのフェリー・ポルシェがフル4シーターのパッケージに憧れていたという証拠が残されているからだ。
新しいポルシェ博物館には、後席頭上空間を稼ぐためにルーフを水平化した911や同じくゆとりの足元空間を生み出すためにホイールベースを伸ばした911の古い試作車が展示されている。
長男である“ブッツィ”がデザインを担当した911で、このようなモデルのトライが行われたという事実こそ、フェリーが抱いていた「4シーター・モデルへの憧れ」を物語るひとつの証なのである。
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