メルセデス・ベンツ Eクラス 試乗レポート/金子浩久 編(2/3)
- 筆者: 金子 浩久
- カメラマン:原田淳
まずは3種類のエンジンで登場
日本に導入されるEクラスは、まずは3種類のエンジンバリエーションで構成される。
3Lと3.5LのV6、5.5LのV8だ。ヨーロッパで発表済みのクーペは今年の夏に追加される。1.8L直列4気筒ガソリン直噴ターボを用いた「E250CGI」の日本への導入は、09年から10年に掛けての予定。また、日本でも人気のステーションワゴンも、順次、発表&導入されていく。
新しいボディはサイズが拡大されただけでなく、衝撃吸収するクラッシャブルゾーンと堅牢なパッセンジャーセルを実現し、乗員保護性能を向上させた。同時に、ねじれ剛性も31%も向上し、不快な振動を低減し、操縦安定性と乗り心地を向上させている。
実際に、E550アバンギャルドに乗り、道央自動車道に乗ると、その効能がすぐに体感できた。高速道路に乗る直前の、時速50キロ以下の舗装の荒れた路面では、荒れをそのまま車内に伝えていたが、高速道路のETCゲートを抜け、スロットルを深く踏み込んだ瞬間に、E550アバンギャルドは別世界にワープした。
「うわっ、スゴいですねぇ」
助手席で感嘆の声を上げたのは、編集部員のYさん。
5.5L V8のパワーで、軽やかに加速したのだ。どんなクルマでも、加速の際にはエンジンからの振動や音がボディと車内を振るわすものなのだが、E550アバンギャルドには何ごとも起こらないのだ。
速度が上がったことは、窓の外を見なければわからない。大袈裟ではなく。それを、助手席でも感じるものなのか。
「普通のクルマとは、全然違いますよ」
加速を終え、高速巡航に入っても、E550アバンギャルドは別世界だ。
ガッシリとしたボディはミシリとも言わず、よく動くサスペンションが路面の細かな凹凸やクルマの動きをキメ細かく吸収して、とても滑らかに移動していく。デコボコやザラザラ、ガタガタといった低級な振動や音などから、一切無縁の、きわめて快適な車内だ。
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