ジープ グランドチェロキー 試乗レポート

  • 筆者: 松下 宏
  • カメラマン:原田淳
ジープ グランドチェロキー 試乗レポート
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3代目はHEMIエンジンも搭載

ジープブランドの最上級モデルに位置するのがグランドチェロキー。軍用車のウィリスMBの時代から数えると60年を超えるジープの歴史の中で見るとグランドチェロキーの歴史は比較的新しく、初代モデルが発売されのが1992年。今回のモデルは6年振りに登場した3代目に当たる。

今回のグランドチェロキーはジープブランドの伝統を受け継ぐフラッグシップモデルとして、ジープのコアなアイデンティティーを確保するとともに、伝統のオフロード性能に加えて飛躍的に向上したオンロード性能を備えるのが特徴。従来のモデルに比べて一段と進化したプレミアムSUVならではの高い快適性や先進装備を備えている。

4WDシステムは進化したクワドラトラックIIと電子制御トランスファーを持つクワドラドライブIIの2種類が用意され、搭載エンジンもV型8気筒の4.7Lのほかに5.7LのHEMIエンジンも搭載された。

走行面、外観はジープらしさがそのまま

ボディサイズは従来に比べてひと回り大きくなった。全長が130mm、全幅が20mm、ホイールベースが90mm長くなり、堂々たるサイズのオフロード4WDになった。ボディの拡大は悪路走破性を考えると必ずしも良いことばかりではないが、アプローチアングルやデパーチャーアングル、ランプブレークアングルなどはしっかり確保され、高い悪路走破性を発揮する。

外観デザインはジープの伝統を受け継ぐもので、縦型のスリットの入ったフロントグリルや丸型のヘッドランプなどはいかにもジープらしい部分となる。テールランプは大型化されクリアレンズが使われている。

インテリア回りはツートーンの明るいイメージが特徴。ボディサイズが拡大されたこともあって居住性が改善され、座り心地の良い新設計のシートが用意される。リヤシートは分割可倒式で、乗員と荷物に応じて自在な使い勝手を発揮する。

HEMIエンジン搭載で、さらにパワフルに

4WDシステムはラレード用が従来のものを進化させたクワドラトラックIIで、センターデフ式フルタイム4WDにブレーキトラクションコントロールシステムを備えたもの。リミテッド用はクワドラドライブⅡと呼ぶ電子制御トランスファーと3つの電子制御リミテッドスリップデフを持つ新開発の4WDシステムが採用される。

搭載エンジンはいずれもV型8気筒で4.7Lと5.7Lで5速ATと組み合わされる。5.7Lは300Cにも搭載されたクライスラー伝統のHEMIエンジンで、240kW/500N・mの圧倒的なパワー&トルクを発生する。ぬかるみや急坂など荒れた路面でも低速域から発生する力強いトルクによって確かな走破性を示してくれる。

サスペンションは前輪がダブルウィッシュボーン式の独立懸架になり、リヤは5リンクコイルを採用するが、ともに十分なサスペンションストロークを確保することで、荒れた路面での高い追従性を発揮する。さらに最新の4WDシステムにより、3輪が浮いた状態からの脱出も可能なのが特徴だ。

ジープさを求めるならば“リミテッド”がお勧め

グランドチェロキーはボディサイズが拡大されて快適装備の充実度も高まったため、価格帯もかなり上昇してきた。ベースのラレードは451.5万円と400万円台にとどまるが、4.7リミテッドは525万円、5.7リミテッドは588万円の設定だ。ただ、このクラスのライバル車であったディスカバリーが、3代目モデルになってさらに高めの価格帯に移行したため、現在の状況ではグランドチェロキーの割安感が際立つ感じになった。

お勧めグレードはリミテッド。やはり新しい4WDシステムのクワドラドライブIIを採用する点がお勧めのポイントだ。クワドラトラックIIでも相当なものだが、最新版4WDシステムの悪路走破性は本当にすごい。悪路やオフロードを走る機会がないというならともかく、ジープらしさを求めるなら断然リミテッドがいい。 当面は5.7Lエンジンを搭載したHEMIが良く売れるかも知れないが、長期的には4.7リミテッドのほうが良く売れるだろう。170kW/410N・mの動力性能も十分にボディに見合ったもので、走りの性能に不満はないからだ。

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松下 宏
筆者松下 宏

自動車そのものはもとよりクルマに関連する経済的な話題に詳しい自動車評論家。新車、中古車を含めてユーザーサイドに立った的確な購入アドバイスを語ることで定評がある。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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