アバルト500 試乗レポート(1/4)
- 筆者: 藤島 知子
- カメラマン:原田淳
アバルト復活、ついに500(チンクエチェント)が登場
50年ぶりに復活を遂げ、欧州カーオブザイヤーをはじめ、世界の名だたる賞を受賞したフィアット500。日本には2008年に上陸を果たしていたが、このたび、熱狂的なファンが首を長くして待ち続けていた、唯一のターボエンジンでMT仕様となるアバルト500(チンクエチェント)の発売が日本でも開始された。
ベース車の愛らしい外観とは打って変わって、アバルト500はまるで別モノのクルマに生まれ変わったかのような異様な存在感を漂わせる。それもそのはず、アバルト(ABARTH)といえば、1960年代のレースシーンで輝かしい成績を修め、「小さいけれど猛毒を持つサソリ」の如く、スピードを制し、チャレンジスピリットをかき立てる伝説的なチューナーとして知られている。アバルト社は、モータースポーツで得たノウハウを市販モデルに投入したアバルト・グランデプントを世に送り出すことで新たな時代を築き始めており、イタリア本国ではワンメイクレースを開催するなど、活気を見せている。
そして、その第2弾の試みとなるのがアバルト500。アバルト社のエンブレムであるサソリをモチーフにした多くの専用パーツがふんだんにあしらわれており、ターボエンジンを軸に、ファインチューニングが施された走行性能が、走り好きの心を捉えて離さない。また、機能性が高いイタリアンデザインは、内外装ともに単なる500の最上級仕様というだけでなく、本物志向の気持ちをくすぐる見所満載のモデルに仕上がっている。
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