すでに受注1万3千台!シエンタに挑む、ホンダ新型「フリード」の進化を試乗で徹底チェック!(3/5)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:和田清志
2/3列目も総合的には快適に
フリードの3列目は、2列目を後端までスライドさせた状態では座れない。そこで2列目の膝先空間を握りコブシ1つ半程度まで詰める。ハイブリッドでは窮屈だが、ノーマルエンジンなら1列目の下に足が収まって不満はない。
この状態で3列目に座ると、膝先には握りコブシ1つ半の余裕があって先代型を上まわり、大人が座ることも可能だ。ただし床と座面の間隔は乏しく、膝が大きく持ち上がる。フリードの全高はステップワゴンに比べて130mmほど低いが、床の位置は同程度だから、床と座面の間隔が不足して乗員の着座姿勢が悪化した。
ミニバンの機能を優先させるなら、天井と着座位置を持ち上げる必要があった。従って3列目の居住性はステップワゴンに見劣りするが、先代型に比べると、1列目と3列目に座る乗員のヒップポイント間隔を90mm広げて足元を拡大している。ハイブリッドは床が高まったことで2列目の居住性に注意したいが、総合的には快適になった。
ステップワゴンからダウンサイジングするなら、2/3列目の居住性に注意したいが、フリードからの代替えなら車内が快適になったと感じるだろう。スライドドア部分の床面地上高は先代型と同じ390mmで乗降性は良い。
フリードプラスの荷室はN-BOXプラスに近い造り
フリードの荷室は、先代型と同様、3列目シートを左右に持ち上げて拡大できる。荷室の床面地上高は480mmだから、ミニバンの中でも特に低く(550~600mmが多い)、自転車を積む時も前輪を大きく持ち上げる必要はない。
2列シートのフリードプラスは、軽自動車のN-BOXプラスに近い造りになる。車椅子を乗せる福祉車両とボディの基本部分を共通化して、荷室後部の床をスロープ状にした。そのために床面地上高が335mmと低く重い荷物も積みやすい。
ユーティリティボードを使って、床が水平な荷室にアレンジすることも可能だ。この時には下側のスロープ部分がアンダーボックスになる。先代型のフリードスパイクとの違いは一長一短だ。
荷室後部の床を掘り込んでスロープ状にしたから重い荷物の収納性が向上してアンダーボックスも得られるが、水平な荷室を得た時の荷室高は不足する。だから単純に広い箱状の空間が欲しいユーザーには、先代型のフリードスパイクが使いやすい。
フリードスパイクに装着された荷室の脇に備わるスポットライトや棚もフリードプラスでは省かれた。フリードスパイクから代替えするユーザーは、荷室の機能の違いに注意したい。
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