ダウンサイジングターボの先駆者、VWが送るポロ ブルーモーション試乗レポート(2/3)

  • 筆者: 渡辺 陽一郎
  • カメラマン:茂呂幸正/オートックワン編集部
ダウンサイジングターボの先駆者、VWが送るポロ ブルーモーション試乗レポート
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1リッターターボエンジンで1.6リッタークラス相当

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この3気筒の1リッターターボは、VW up!の1リッター自然吸気エンジンをベースに開発され、行程×内径の寸法も74.5×76.4mmで等しい。

もっともターボを装着した1リッターのTSIエンジンは直噴式に改められ、最高出力は95馬力(5000~5500回転)、最大トルクは16.3kg-m(1500~3500回転)。up!のノーマルエンジンに比べると、20馬力/6.6kg-mの上乗せとなった。

JC08モード燃費は23.4km/L。up!は25.9km/L(クロスup!は25.2km/L)だから、車両重量が180kgほど重いこともあってポロの燃費数値が少し下まわる。

それなら従来から設定されるポロの1.2リッターターボを搭載したコンフォートラインと比べたらどうか。この動力性能は90馬力/16.3kg-mで、最高出力が5馬力異なるものの、ほぼ同じ性能だ。

車両重量は1.2リッターターボのTSIコンフォートラインが1130kg、1リッターターボのブルーモーションは3気筒とあって少し軽く1100kgに収まる。

フォルクスワーゲン ポロ ブルーモーション
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1.2リッターターボのJC08モード燃費は22.2km/L。ブルーモーションは前述の23.4km/Lだから、5%程度ではあるが排気量と気筒数の違いによる効率の差が生じた。

運転してみると、1リッターターボの動力性能は、最大トルクの数値から分かるように1.6リッタークラスに相当する。1500~3500回転で最大トルクを発揮するので、エンジンの性格としては扱いやすい。

トランスミッションは2組のクラッチを使う有段式の7速DSGで、ギヤ比は1.2リッターターボに比べると少しハイギヤードで燃費を重視するが、実用回転域では違いをほとんど感じない。

性格の差が見られたのは高回転域だ。1リッターターボは最高出力の95馬力を5000~5500回転、1.2リッターターボは90馬力を4400~5400回転で発揮するので、感覚的には1リッターターボの吹き上がりが軽快に受け取られる。逆に1.2リッターターボは幅広い回転域で余裕があって運転がしやすい。

このあたりは持ち味の違いだが、1リッターのターボではエンジンノイズが気になる。3気筒とあって、4気筒の1.2リッターに比べて耳障りだ。粗い音ではないが、威勢が良くて車内に響きやすい。

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ブルーモーションの価値は、コンフォートラインなどに搭載されてから

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乗り心地はボディサイズの割に重厚感が伴って快適だが、1.2リッターターボに比べると少し硬い。タイヤサイズは15インチ(185/60R15)で共通だが、銘柄は1.2リッターターボのTSIコンフォートラインがコンチネンタル・プレミアムコンタクト、1リッターターボのブルーモーションは低燃費指向のブリヂストン・エコピアEP150になる。指定空気圧も前輪が260kPa、後輪が240kPaで、1.2リッターターボに比べると40kPa高い。タイヤは燃費を重視した設定だ。

走行安定性には不満がなく、機敏に曲がるスポーティーな性格ではないが、4輪の接地性が高く安心できる。現行型の初期モデルに比べると足まわりが柔軟に動き、突っ張り感が薄れてカーブを曲がる時の挙動変化が自然な印象になった。

ポロブルーモーションの価格は269万9000円。1.2リッターのターボを搭載したコンフォートラインアップグレードパッケージ(262万9000円)に比べて、7万円の上乗せだ。ブルーモーションではリアスポイラーやサイドスカートが備わり、ヘッドランプはコンフォートラインアップグレードパッケージがLED、ブルーモーションがディスチャージという違いがある。

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装備と価格の違いを補正すると、ブルーモーションの割安感は、コンフォートラインアップグレードパッケージと同等と判断できるだろう。

それでもブルーモーションが3気筒になることを考えると、JC08モード燃費が22.2km/Lから23.4km/Lに向上するとはいえ、特に買い得とはいい難い。エコカー減税の達成度合いも、平成32年度燃費基準をクリアしたので変わらず、自動車取得税が60%、同重量税が50%の減税だ。

ブルーモーションの価値が本格的に発揮されるのは、ベーシックなコンフォートラインなどに搭載されてからだろう。また前述のように指定空気圧の高いエコタイヤの装着もあって乗り心地が硬めになり、ノイズも気になる。だから現時点では、4気筒の1.2リッターターボに比べて優位性があるとはいい難い。今後の改良も大切だ。

こういった点も含めて、ブルーモーションは300台の限定販売になっている。ボディカラーはピュアホワイトしか選べない。販売店によると「在庫車がかなり減っている」とのことなので、購入を希望するなら早めに商談を開始した方が良い。

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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