豪雪地でもスバルの四駆は圧倒的に強い!レヴォーグ・WRXなど「VTD-AWD」/「DCCD」編(2/2)

豪雪地でもスバルの四駆は圧倒的に強い!レヴォーグ・WRXなど「VTD-AWD」/「DCCD」編
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DCCD(ドライバーズ・コントロール・センターデフ)

スバル WRX STI

【搭載車種】WRX STI

構造:複合遊星歯車(プラネタリーギヤ)式センターデフ+電磁式LSD+トルク感応型の機械式LSD

基本的な前後トルク配分/41:59

これまた他に類似システムをみないスバル独創の四輪駆動システム。トルク配分を緻密に制御できる電磁式LSDと、素早くリニアな制御を可能とする機械式LSDを組み合わせることで、路面追従性とコーナリング中の挙動変化を抑えるというもの。旋回の初期段階ではデフを積極的にフリー状態として回頭性を高めつつ、加速時には直結状態として最大限のトラクションを確保。ターンインと立ち上がりで異なる駆動力を発揮する戦闘マシン向け。基本的には「コンマ1秒でも速さを求める」ためのシステムです。

ある意味、様々なタイプの四輪駆動システムに早変わりするような特性を持っていますが、デフはフリーから完全なロック状態まで走行中でもドライバーの任意で設定変更が可能で、サイドブレーキを引くとその瞬間にデフフリー状態に戻る機構も備えており、ジムカーナなどのサイドターンを行うモータースポーツ競技では昔から重宝されてきました。

WRX系の進化とともに細かく改良され続けている

スバル WRX STIスバル WRX STI

誕生したのは1994年。初代インプレッサWRXの競技向けグレードであるtype RAのSTIバージョンに搭載され、その後WRX系の進化とともに細かく改良され続けて今にいたります。

現行型ではデフのロック率を任意で6段階に設定できる「MANUALモード」、全自動の「AUTO」、LSDの作動制限を緩くして回頭性を高める「AUTO➖」、作動制限を強めてトラクションを重視する「AUTO+」の3種類のAUTOモードを備えた「マルチモードDCCD」となっており、AUTOモードでは操舵量もセンサーで観測し、よりドライバーの意思に忠実な操縦性を実現しています。

「AUTO」モードの+➖はドライ路面でも違いがハッキリするほど挙動が激変しますが、雪上/氷上ではほとんど別のクルマに変わるといっても過言ではありません。

デフをロック状態にセットすればどんな状況でも50対50のまま固定されるので、他のシステムにはないダイレクト感に溢れたトラクションの強さを実感することができます。ロック状態では立ち上がりの力強さが全然違いますから、雪上/氷上/未舗装路などの超低μ路で誰よりも速く走るにはコレしかないでしょう。また、低μ路の上では、センターデフはフリー状態よりもロックにしているほうがフロントタイヤからの路面インフォメーションが豊富に感じられるというメリットもあります。

スバル WRX STI

ただし、ロック状態では微低速時に舵角を当てると猛烈な抵抗がかかり、車庫入れ時などではバキバキと音が鳴ってエンストしやすくなるので要注意。通常時はロックモードにしない方が乗りやすいでしょう。

プロのラリードライバーの話によると、路面のμがあまりにも低過ぎて曲がりづらいときは、ロック率を少し落としたほうが曲がりやすくなるようです。DCCDはもちろん全日本ラリー選手権などの競技車にも搭載されており、ダートでは常にロック状態ですが、最近のDCCDのAUTOの制御はすごく良く出来ているので、新井敏弘選手でもターマックではクルマ任せのAUTOにしていることが多いとのこと。

スバル WRX STIスバル AWDオールラインアップ試乗

一般道での街乗りなどの実用面では過剰な性能ともいえますが、それでも最近は西日本でも予期せぬ豪雪が降ることが多いので、駆動力としては最強の完全ロック固定が可能なDCCDならさらなる安心感が得られます。基本的にはサーキットや超低μ路でのタイムアタック向けながら、ゲレンデタクシー開催現場のような豪雪地でも圧倒的な走破性を発揮しているというわかりやすい場面も。

しかし、WRX STIは車高が低いので、圧雪路では雪の上に乗ってスタックしてしまうリスクが高いことも覚えておきましょう。走破性の高さでガンガン突き進めるだけに、調子に乗って雪の深みにハマることにはご注意ください。それはどんなクルマにもいえることですが。

今回の試乗では、新井選手が「自信を持って積極的に攻められるようになる」とコメントされたロックモードでアタックしてみましたが、筆者程度のレベル(速度域)では、やはりAUTOモードの方がクルマがカバーしてくれる領域が広くて安心感が高いことを実感しました。

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マリオ 高野
筆者マリオ 高野

1973年大阪生まれ。免許取得後にクルマの楽しさに目覚め、ヴィヴィオとインプレッサWRXを立て続けに新車で購入。弱冠ハタチでクルマローン地獄に陥るも、クルマへの愛情や関心は深まるばかりとなり、ホンダの新車セールスマンや輸入車ディーラーでの車両回送員、ダイハツ期間工(アンダーボディ組立て)などを経験。2001年に自動車雑誌の編集部員を目指し上京。新車情報誌やアメ車雑誌の編集部員を経てフリーライターとなる。編集プロダクション「フォッケウルフ」での階級は「二等兵」。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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