[試乗]”ミニバン大国”日本でメルセデス・ベンツ 新型 Vクラス「V220d」はどう映るのか(2/5)
- 筆者: 今井 優杏
- カメラマン:茂呂幸正・島村栄二
確かに「お・も・て・な・し」では日本に一歩譲るのだけれど・・・
もちろん、先に言っておけばパッケージ・・・そう、たとえば先述のおもてなし面———それは後部座席のシートアレンジやシートスライド量、小物入れやフォールディングデスク、リアエンタテイメントシステムなどの充実という意味での装備なのだけど、そこを引き合いに出すならばどう考えても国産車に軍配が上がる。
たとえばVクラスではシート自体が異様に重いため、リアシートのアレンジのしにくさが際立つところや、2列目のシートをゴロンと前に転がさないと3列目のシートにアプローチ出来ない、なんていう「使い勝手」のところなんかは気にかかる。
日本のミニバンが乗員への配慮に優れているのは、日本人の体型やクルマの使い方を研究し尽くした結果だからだ。狭い国土で暮らす日本人は、クルマの中をもう一つの家、つまりサードスペースとして使う。頻繁にシートを動かすし、小柄な女性も多い。
Vクラスはまず第一にステアリングを握るドライバーのために出来ている
だけど、Vクラスには欧州人としてのクルマの使い方の神髄が込められていた。ズバリ、ハンドルを握る人が一番エラい!ってこと。
誤解のないように言っておくけど、最近の日本のミニバンの走りの進化は凄まじい。運転してもちゃんと楽しい。しかし、Vクラスのそれはさらに頭一つ抜き出ていた。
ドイツにおいてはとにかく日常の走破距離が長いことに加え、高速でアウトバーンを走行出来るということが開発の絶対条件に含まれているということを改めて思い出した。たとえVクラスのようなボディ形状であっても、だ。
だからこう言える。
国産ミニバンが家族、もしくは後席のVIPのためのクルマなんだとしたら、Vクラスでの主役は間違いなくドライバーに違いない。
[Vクラスの魅力が最も発揮される場所とは・・・次ページへ続く]
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